story

□隣人
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ナルトと小さなことから言い合いになって、俺は拗ねて家出をした。

もちろんすぐに後悔した。
ナルトを愛してたし、このままじゃダメだってわかってたから。

で、あれ?すぐ帰ったんだっけ。
でもなんかあったような気がするんだけど....。...酒でも飲んだっけ?

とりあえずナルトは多分そのことで怒ってる。
さっきからいくら声をかけても返事どころかこっちを見もしない。

肩に触れれば振り返ると思うけど、触んなって叩かれたら俺、もう生きていけない。
ヘタレだとは自分でも思うんだけどさ...。

「ナルトーねぇ話しようよ。」

少し前を歩くオレンジの後ろ姿は、思いを告げたあの春よりもずっと大きくなってて、ちょっと切ない。

そんな風にすぐ大きくなって、すぐに俺なんか抜かされちゃうんだろうな、なんて考えたくもない未来が頭をよぎった。

もう一度声をかけようと口を開くとむこう側からちょうどサクラが来て、二人は振り返ってこっち側に歩いてきた。

「あ、ナルト...」

ナルトとサクラはそのまま、俺なんか見えないような素振りで俺の横を通り過ぎていった。

ふわりとどこか懐かしいシャンプーの香りが鼻をくすぐる。

...あれ、こいつこんなに声、低かったっけ...?

ここに来るまでの記憶が曖昧で、最後に見たナルトの顔と今見たものはどこか違う気がした。

「子供ってほんと一日ずつ大きくなるもんなのね...。」

季節はいつの間にか、葉を紅く染めていた。
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