story

□声が聞こえた
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『ナルト』





カーテンが揺れる。
隙間からのぞく外の景色はすっかり春色で、風に乗ってくる甘酸っぱい香りも春の香りで。


ナルトは重い瞼を持ち上げて、大きく伸びをした。


眩しいくらいに青い空と桜の桃色が鮮やかなコントラストを放って、目の奥がチカチカする。


「...また。」


今日で5日連続。

窓から吹き込んでくる暖かな風に、ナルトの肩までかかった金色が揺れた。


夢の中なのか、現実なのか。

幻聴に変わりはないけれど、どうしようもなく涙がこぼれそうになる。


「カカシ先生が、なんなんだってばよ...。」


ひどく胸が苦しくて。
痛いの?辛いの?気持ち悪いの?


そんなことない。
あの声を聞くと、不思議と安心するんだ。
優しい気持ちになるんだ。


だからこそ、どうしたらいいのかわからない。


「ほんっと、毎朝毎朝。なんだってばよカカシ先生。」


わけわかんないってば。ポツリとつぶやけば、同時に笑みがこぼれた。
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