□edge☆
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二人で談笑しながら、沖田お勧めの団子屋を目指す。
突然、沖田の足が止まった。
「隊長、どうしました?」
「…気配がする…大人数の」
「気配?」
「諏訪さん、刀を抜いてください。危険です」
「…わかりました」
諏訪と沖田が刀を抜く。
しんと静まりかえった通り。
歩く町人はいない。
その時だった。
細い路地から何人もの浪士が現れた。

ひいふうみい……9人。
この人数で二人は心許ないかもしれない。
この人達は強い。
刀の構え方でわかる。
隙がない。
「諏訪さん、危ない時は私に構わず逃げてください」
「逃げるだなんて、そんな武士道に反した事ができる訳ないじゃないですか。それに隊長を置いて逃げれませんよ」
沖田の発言に諏訪は苦笑した。
「くれぐれも無茶はしないように」
「承知」
先に斬り込んだのは諏訪。
沖田仕込みの剣技が冴える。
一番隊隊士の名は伊達じゃない。
沖田もそれに続いた。
向かってくる刀をひらりと交わし、たった一太刀で3人を斬り付けた。
舞を待っているかのような優雅な剣技。
そして見事な三段突き。
さすがは隊長だ。
諏訪は見惚れた。
しかし、多勢に無勢だ。
なかなか人数が減らない。
やっとあと4人になった。
向かってくる浪士の刃の切っ先が沖田の頬を掠める。
頬を触るとぬるりとした紅い血。
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