□ラブリーベイベー
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愛らしいキミは
チャーミングでスィート。
そんなキミはラブリーベイベー。



沖田は午前中巡回し、午後からは非番だった。
使っている愛刀が刃こぼれし、新しい刀が欲しくて武具屋に寄ったが、欲しい刀が見当たらなかった。
「また仕入れて置くんで、またご贔屓にしておくんなまし」
店主が深々と頭を下げる。
「また来まーす」
沖田はにこやかに店を後にした。
さて、どうしよう。
色々考えあぐねていると、急に視界が暗くなった。
目を誰かに塞がれたらしい。
沖田は素早く身を翻し、懐刀を抜き、男の喉元に突き付ける。
「オッキー、わしや、わし」
「……龍馬さん……」
「相変わらず熱烈な歓迎やのう、ラブリーなオッキーにそんな物騒なもんは似合わんぜよ」
降参と両手を挙げたまま、坂本が苦笑する。
「龍馬さんが悪いんです。私の背後を取るから」
沖田は懐刀を鞘に閉まって、帯の中にしまい込んだ。
「すまん、すまん。ちょっといたずらがしたくなったがよ」
坂本ががははと笑った。

あれ?
あれは沖田さん?
土方の使いで町に出てきた鉄之助が沖田の姿を捉える。
横にいる人はえーと誰だっけ?
まあ、いいか。
早く帰らないと土方の雷が落ちる。
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