□幕末純情伝
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「んん…」
眠たい瞼を擦り、沖田は土方の布団から頭を出す。
寒くて土方に擦り寄る。
「…ん?」
自分と土方の間に何かが邪魔をしている。
なんだろうと、ゴソゴソと体を触る。
「……え?」
決して大きいとは言えないが、胸に膨らみがある。
触ってみる。
柔らかな女性の乳房だ。
…まさか。
恐る恐る下を触ってみる。
「……ない……」
男の子の証がない。
どうしよう、女性になってしまった。
「土方さん!起きてください!」
ぐっすり眠っている土方を叩いて起こす。
「…なんだよ、まだ早いだろうが」
快眠を邪魔された土方はすこぶる機嫌が悪い。
「あって、ないんです!」
朝から意味不明な事を言い出す沖田に頭を捻る。
「…何言ってんだ、お前…」
何を言っても伝わらない沖田は土方の手を掴んで、胸に押し付けた。
「…っ?!」
びっくりして思わず、手を引っ込める。
「私、どうしましょう」
「どうしましょうって…お前…」
思いもしない事態に言葉を失う。
「下はどうなんだ?」
「…ない…です…」
念のため、下を触ってみる。
「や…っ、ダメ…ッ」
沖田が身を捩る。
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