□edge☆
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時刻は七つ刻。
空は夕闇に染まっている。

尊攘派の活動が活発になりだし、新選組隊士への辻斬りが増えた為、ここの所毎日巡回が回ってくる。
特に特攻部隊の一番隊、二番隊、三番隊の三強の出番が多い。
その中でも、沖田の厳しい稽古に耐えた者だけが入れる一番隊は腕の立つ精鋭が多く、よく駆り出される。
今日も例外じゃない。
町の見廻りも終わり、そろそろ解散だ。

「本日も異常なし。皆さん、お疲れ様でした。ゆっくり休んで明日も元気に頑張りましょう。以上一番隊解散!」
沖田の高らかな声と共に、解散を告げる。
隊士達が沖田に礼をして、ぞろぞろと屯所へ帰って行く。
沖田は隊士達と反対方向へ歩きだした。
巡回で疲れた体には甘いものが一番だ。
ついでに土方に沢庵でも買って行ってあげようか。
そんな事を考えながら、町の通りへ向かっていた。
「沖田隊長ー!」
後ろの方で自分を呼ぶ声がする。
振り向くと、一番隊隊士の諏訪五郎だ。
慌てて沖田に駆け寄ってくる。
「どうしました、諏訪さん」
「いえ、ちょっと隊長のお供がしたくて…今日も甘味屋ですか?」
「ええ、まあ。諏訪さんも甘味はお好きですか?」
「俺はあまり好みませんが、みたらしは好きです」
「じゃあ、みたらしが美味しいお店に行きましょう」
沖田が優しく微笑んだ。

諏訪は沖田の3つ上だ。
最初、原田の十番隊に配属されたが、沖田に憧れて一番隊に入りたいが為、沖田に稽古をつけてもらい、やっとその念願が叶った。
性格も至って真面目で明るく、稽古熱心で他の隊士達にも優しい。
沖田も慕ってくる諏訪にいい印象を抱いていた。
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