book

□ポップン小咄U
2ページ/85ページ



「いらないのですよ」

両面色の付いた折り紙を破きながら歩は笑った。赤い面に書かれていた文章は文字の破片となり廊下に散らばる。数片、風に飛ばされて。

「こんなの」
「ゆみさん…」
「ひこも、僕がこんなので嬉しがると思ったのですか?」
「…………」

幼い笑顔で嘲るクラスメイト、義彦はただ、きつく拳を握り締める。睨みはしない、彼女は何も悪くないのだから。

「大体折り紙なんて陳腐なもの、女の子は喜ばないですよ?」
「それは悪かったでございます」
「花束と白い封筒のお手紙、あと手渡しは基本なのです!」

細く白い歩の人差し指が義彦の唇に軽く押し当てられた。14歳には似合わない妖艶な微笑を浮かべて。

「分かったですね?」

有無を言わさない問いを投げ付けた。


(下駄箱プロポーズ)

+++++
OJつよしと歩
黒い2P歩が好き。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ