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□ポップン小咄U
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「いらないのですよ」
両面色の付いた折り紙を破きながら歩は笑った。赤い面に書かれていた文章は文字の破片となり廊下に散らばる。数片、風に飛ばされて。
「こんなの」
「ゆみさん…」
「ひこも、僕がこんなので嬉しがると思ったのですか?」
「…………」
幼い笑顔で嘲るクラスメイト、義彦はただ、きつく拳を握り締める。睨みはしない、彼女は何も悪くないのだから。
「大体折り紙なんて陳腐なもの、女の子は喜ばないですよ?」
「それは悪かったでございます」
「花束と白い封筒のお手紙、あと手渡しは基本なのです!」
細く白い歩の人差し指が義彦の唇に軽く押し当てられた。14歳には似合わない妖艶な微笑を浮かべて。
「分かったですね?」
有無を言わさない問いを投げ付けた。
(下駄箱プロポーズ)
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OJつよしと歩
黒い2P歩が好き。