Are・you・opponent?
□舞い戻る彼女のプロローグ
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彼女が真選組へと歩き出すのを、お気に入りのバイクに乗った男-銀時-は見ていた。
-数時間前-
「銀ちゃん、お客さんが来たアルヨ!」
「あ、どうぞ上がって下さい!」
「コレはご丁寧にどうも♪コンニチハ★銀ー!」
オレと神楽、新八が経営する、『よろず屋銀ちゃん』に来たのは見覚えのある顔の整った女性だった。
「……!っ京!?」
「お久しぶりだネェ、銀!元気にしてた??」
「元気にしてたも何も…」
ヤケにカタコトで、気楽で、でも何処かミステリアスな彼女、京華は古くからの馴染みで、数年前の『攘夷戦争』からずっと行方不明だったのだ。
「行方不明だったお前に元気にしてたも何も、一番オレが言いたかったんだけどな」
「「え!?」」
「銀ちゃんに友達なんていたアルカ!?」
「いや、神楽ちゃん、そっちじゃ無くて!行方不明だったってどう言う…!」
「あ゛ー、話すと絶対長くなるから話さねぇけどな…で、急にここに来たって事は何かあんだろ?」
「オゥ、さっすが銀!…真選組屯所に行きたいんだケド、江戸って広いんだナァ★如何にか行き着いたのが此処なのヨ♪と言う訳で真選組屯所まで連れて行ってくんナイ?」
「…そんなの他で聞きゃ良いじゃねぇかよ」
「エェ〜。冷たーい、ブゥブゥ」
「そうアルヨ!どうせすぐそこなんだから、連れて行ってあげるネ!!」
「銀さん、連れて行ってあげましょうよ」
かつては人間を憎み、江戸を憎み、そして今も、何かを憎み続ける京華が、何の為にまたこの場所にやってきたのか。
オレは知らない。
だけど一つだけ言える事があった。
「…何かしら、決意した事があるんだな」
その為に、京華は帰って来た。