Are・you・opponent?
□舞い戻る彼女のプロローグ
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「やぁっと着いたァ……」
ほぅ、と一つ溜息を入れて目の前のとある建物を見やる。
『真選組屯所』
そう書かれた木版の掛かったその門には二人の隊服を着た男が立っている。
「…っふふ♪此処が、真選組」
言葉にすると中々趣きがある場所だ。
一瞬、身体が震える。それは
歓喜の震えでもあり、
期待の震えでもあり…
恐怖の震えでもあり。
「だってそうじゃナイ…?」
一人そう呟いてから右側に立つ男に声かけた。
「スミマセン、此処が真選組屯所でしょうか?」
「え?あ、はい。そうですけど…」
「そうですか!あぁ、やっと見つけたんですよ。何せ、江戸は広いですからネェ」
「た、確かに、広いですよね…」
だって、そうじゃない。
ワタシは此処へ、ジブンのopponent(敵、仇)を探しに来たんだから。