いつも、あなたを。
□唐突に出会う池袋の日常。
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という訳でボクは、平和島君の家らしいやけに小綺麗な所まで腕を引っ張られた。千切れるかと思った。
「…」
「……」
「…やけに小綺麗な家だねぇ!本当に平和島君の家なのかボクの目を疑ってしまったよ」
「余計なお世話だ!」
ボクの発言はどうやら彼をイラつかせてしまうらしい。
仕方が無いので彼の夕食を黙って手伝う事にした。
「…何してやがる?」
「この材料、今からカレー作るんでしょぅ?どうせ何もする事無いし、どうせなら手伝おうと思って人参の皮剥いてる」
「…そうかよ」
沈黙。
それを破ったのはまさかの彼だった。
「お前も一人暮らししてたのか?」
「でなきゃ自殺なんて出来ないだろぅ?」
「だよな…」
「人参とジャガイモ剥けたよ★」
「早っ」
こうして二人のカレー作りは難なく終わり、小さな机を挟んで頬張る。
久しぶりの相手がいる夕食。
それは彼も同じのようで、さっきから全然カレーが減ってない。
「どうしたんだい?ボクをジロジロ見てるなんて」
「…別に。つーかお前、本当に女か?」
「うわぉ、失礼な発言だねぇ♪」
その後も彼がジロジロとボクを見てるのは変わらなかったが、気が付くとカレーはあっという間に底を突いていた。
特にする事も無いので寝ようとして重要な事を思い出す。
「そう言えば平和島君、ボクは何処に寝れば良いんだぃ?」
「…あー……じゃとりあえず今日はオレの部屋で寝てろ」
「ん?じゃぁ平和島君は?」
「オレの事は良い」
「そうかい?じゃぁ遠慮なく使わせてもらうよぉ★おやすみ」
「あぁ…」
部屋に入った途端に疲れはどっと押し寄せてきた。
ベッドに潜ったらすぐにでも寝れそうだ。疲れたし今日はすぐに休むしよう…
ベッドに潜るとよっぽど疲れていたみたいで、自分の推測通りすぐに意識は暗闇の何処かへと沈んでいった…
「…くそ、変な奴拾っちまった……」