Are・you・opponent?
□屯所日記。〜3日目〜
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……参った。
やっと仕事を終わらせて(因みに今は午後四時である。サボったと思われがちだが今回は真面目にやった。ホントマジで。これ絶対)京華の部屋に来てみれば、どうやらみたらし団子を作ったらしい、三本のみたらし団子が綺麗に皿に乗ったまま、畳で京華はぐっすり寝ていた。
「とりあえず二本食べましたがねィ…」
どうしよう。
最後の一本を頂くか、
コイツの顔にイタズラするか。
唸って考えた結果、まずはイタズラをする事にした。
「このマッキーペンで……」
キュッキュと音をたてながら顔にペンで跡を付ける。
目の周りにオレの愛用品、アイマスクを書き、口にはわざと唇をデカデカと書いて、何か物足りないから頬っぺたに可愛らしく丸を書いてみた。
可愛らしく、と言っても笑うしかないこの顔では可愛らしいも糞ったれも無いが。
「……ぅ………」
「お?やっと起きましたかねィ」
起きて京華が顔を見たら何と言うだろうか。
ニヤニヤしながらポケットの中から手鏡を出す。スタンバイOK。
…何か忘れている気もするが、今はお構い無しだ。
「……ぅぅ………zzz…」
「ってまだ寝るのかよ」
ちょっと唸っただけで直ぐに京華はスースーと寝息をたてて一向に起きない。
「おーい、京華ーー」
「……zzz…」
「起きろってー」
ゆさゆさと揺すってみても起きない。こうなったら…
「えい」
頬を弱めにつねる。
やっぱり起きないので少し強めにつねる。
「………ぅぅ…んー」
「京華?」
「……おきた、サン…?」
「やっと起き……」
そこまで言いかけてやっと京華の言葉を思い出す。
『無意識に無理やり起こそうとした人を半殺しにしちゃってるみたいだから』
「………な、なぁ京華」
「…何ィ?」
恐る恐る顔色をうかがってみたが、そこまで変化は無く、寧ろニコニコといつも以上に笑顔だった。
「(この前の言葉は嘘だったんですかねィ)京華ー、顔見てみろィ」
京華はキョトンとしながら俺の持つ手鏡をじっ、と見つめた。
「………」
「…………」
暫くの静寂。
「…………フフフフッ……」
先に破ったのは京華だった。
「どうしたんでィ?」
ニヤニヤしながら京華に問いかけると、京華はニッコリと微笑みながらとんでもない事を言い出した。