作品内のちょっとした小耳話(29)
主に登場人物達が、作品内の裏話をこっそり話しています。
※陀艮の言葉が翻訳されており、絵文字がついている個所もあります。
※「呪霊が人間が好む食事を普通に摂取できる」というオリジナル設定が加わっています。
※舞香と五条さんは小学生時代の設定です。
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舞香「ごんちゃん、お弁当のおかずを作る練習をしているのだけど、試食してくれますか?」
陀艮【任せてくれ!】
舞香「最初は『卵焼き』、今日は甘めに味付けしてみました」
陀艮【ふむ…しっとりした、くどくない甘味…いい!】
舞香「次は『おにぎり』、おかずは鮭と梅、昆布の三種類です」
陀艮【梅…すっぱい! 昆布の味付けが好みだ】
舞香「メインは『唐揚げ』です! お醤油と塩味の二種類を作りました」
陀艮【ふぉおお…!? 柔らかく、このじゅわーとした肉汁、おいしい!!】
舞香「どちらの味が好みですか?」
陀艮【どちらも甲乙つけ難いが…敢えて言うなら塩味の方だ】
舞香「まだまだおかわりありますよ」
陀艮【おぉー…! すばらしい✨】
舞香「此処で、ヴァルハラ教団に関するちょっとした小耳話。
ヴァルハラ教団の本部に在籍しているスウェア(シスター候補生)は私だけですが…
各都道府県の支部には複数名いるそうです。
私よりも年上の方ばかりで、現在の所、私が最年少らしいです」
陀艮【ぶふぷっ…!】
舞香「どうしたの?」
陀艮【今、背筋に寒気が…】
舞香「おかしいですね。今日は暖かい気温のはずなのに…」
陀艮(はっ! あそこの樹に白髪の少年が隠れている…)
舞香「??」
陀艮(あの凍てつくような視線…間違いなくこちらへ向けられている!?
あ、あの少年は何者だ…!!?)
その白髪の少年が唇を動かしている事に気付く陀艮。
『い』『ま』『す』『ぐ』『け』『す』
陀艮【ぶぷぷぅー!!!】
舞香「えっ、えっ…何かあったの?」
陀艮【舞香よ。此処はダメだ! 場所を移すぞ!】
舞香「えっと…分かりました」
陀艮(あの少年…もしや舞香を狙う不届き者か。舞香は気付いていないようだが…
だがしかし! この私がいる限り、友を危険な目には合わせぬぞ!)
五条「あの大タコ、逃げやがった…ッ
しかも、舞香まで連れていきやがって、どこ行ったんだ!?」
―――【陀艮の領域内】―――
舞香「はい、デザートの【ミルクプリン】ですよ」
陀艮【ぶぶぷぅー♪】
舞香「さっき、驚いていたけれど…怖い呪霊でもいたんですか?」
陀艮【うむ、凶悪そうな小さき白い者がいた。舞香よ、気を付けた方がいいぞ】
舞香「そうなんですね。教えてくれてありがとう、ごんちゃん」
陀艮【どういたしまして(≧▽≦)】
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