*magi*
□これからも……
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夕日が輝く空の下……
一国の王シンドバッドと、その部下ジャーファルは、国中を見渡すことの出来る少し小高い丘に来ていた……。
「ねえ……シン?去年の今、ここから始まったんですよね……」
と言って、優しく笑う。
「あぁ。」
そう言って、こちらも優しく笑う。
「シン。私、最初は……私なんかが恋人でいいのかって、思ってたんです。というか、今も少し思ってるんですけど……。」
シンドバッドは静かにジャーファルの話を聞く。
「シン。私…ね、不安なんです……。貴方には沢山の選択肢があるでしょう?私はその一つにすぎないじゃないですか…。だから、いつかは私じゃない人を選ぶんじゃないかって……」
「シン。
私なんかでいいんですか?こんな私……
言い終わる前にジャーファルの体を何か暖かいものが包んだ。
「ジャーファル。お前でいいんだ。いや、お前がいいんだ。」
そう言うと、ジャーファルを包む力が強くなる。
「シン……」
二人は抱き締め合うのをやめ、手を繋ぎ、国中を見渡す。
これからも、シンと共に生きていく。
また、不安になることもあるかもしれない。それでも、貴方と一緒なら、何でも乗り越えられる。そう思う。
二人は手を繋いだまま、国を見渡していた。
これからも……ずっと……貴方の隣で…_