死神の恋

□もしも
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夢を見た
『あの時』の夢。。。














私と貴方、月の下。


貴方が私に向かって伸ばす手。
「俺が怖いか…女」

私も、貴方に向かって手を伸ばした。
「怖くないよ」


その手が触れ合う事は無く、
貴方は灰になって消えた。

行き場の無くなった私の右手は、
少し、震えていた。








はっ、っとして目を開けると、そこは見慣れた私の部屋で、夢を見ていたんだと気付いた。
眠気なんて、吹っ飛んでいた。






怖い、とは思わない。

悲しい、とも思わない。

ただ、ただ、、、
      懐かしいと思った。


それと、胸の、小さな痛み。












もしも、、、


もし、あの時、貴方に手を伸ばさなかったら。

もし、貴方を深く知りたいと思わなかったら。

もし、貴方の事を、本当に嫌いになれたなら……


この、胸の痛みは無かったのだろう。





同じ「もしも…」なのに、

『もし、あの時、私の手が貴方に届いていれば…』

そう考えるのが一番辛いと、分かっているのに。


何故、
その考えを捨てる事が出来無いのだろう。。

「わかんないよ……」





自分の事なのに、自分がわかってないなんて…ちょっと可笑しいなあ。
でも一つだけ、確かな思い。




出来る事ならもう一度、、、
        貴方に会いたい



「ねぇ…ウルキオラ……」

私の心は貴方に届いていますか?
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