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□みつみつはにはにはにみつはにー(おす)
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ミツハニー、ここホウエンではなかなか見かけない、きっとどこかのトレーナーの仕業だろう。行く宛もなく弱っているミツハニーを私は保護することにした。






私もかつてはポケモンリーグでも上位に入るようなトレーナーだった。そのために厳選と呼ばれる行為でいくつの命を無駄にしたのだろうか
逃がすんだ、自然に返すんだ、そんなことをいっても、小さい生まれたばかりのポケモンを逃がしたところでそのポケモンに生きてく力などほとんどない、また、育てられたポケモンを逃がすと言うことは生態系の破壊につながってしまう、そのことに気づいてしまったとき、私はもうなにもできなかった
強くなることを夢見るトレーナー、しかしその大半は途中で諦め、そんな彼らには社会の受け皿はない。だからみんな現実的に副業としての強いトレーナーを目指す。私はバカだった。そんなことも考えずただ一直線に夢を追いかけ、その果てに自分のしてきたことの残虐さにきづき絶望しなにもできなくなる。
愚か者。いっそ気づかないまま、なにもないままあのまま愚かなままゆめを追って位たほうがしあわせだった。しかし気づいてしまった私はもっと愚かなのかもしれない


ブゥーン
どうやら先程保護したミツハニーが目覚めたらしい。
ミツハニー、はちのこポケモン。
かわいらしいその容姿とみつをあつめてくれる特性があるので愛玩用に人気なポケモンだ。しかしこのポケモン、♂しか進化することができない。そのためそのことに気がついて彼らを捨てるトレーナーは多い。おまけに自然の摂理か八割が♂、どうして世界は残酷なんだろう

ミツハニーが私の顔をみた
ああ、この子も昔の私のような人間のクズに捨てられたのだろう。しかしまだ理解はしてない様子だ

お互いこの世界からあぶれはじき出されたもの同士、仲良くやっていけるだろうか?わたしはこの子を保護したとき、そんなことを考えていたのかもしれない。全くエゴで罪滅ぼしでもなんでもならない。自己満足。
でもそれくらいさせてくれたっていいじゃないか!
そうだ、今群バトルというものが発見され甘い蜜は需要があるらしい。彼と私と、そう人間とポケモンで共生できるってことを、私達が証明すればいい






よろしくな、ミツハニー

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