書籍
□神様に選ばれたのは私
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「貴女が…私の───神子」
最初は戸惑った
白龍と会って朔と会って、譲君と再会して…
仲間がいるってわかって、心強くなって、「頑張ろう!」って思った
だけれど…
「武蔵坊弁慶と梶原景時の最後を─!」
一人、また一人と仲間の命が目の前で消えて
「望美!?」
「朔!よかった!」
生きてて───と安堵したが矢先、京邸に火が放たれ、みんなとバラバラに逃げてしまって…
「先輩!春日先輩────!!」
遠くで譲君の声が聞こえる
火が更に激しく燃え上がる──
まるで私を責めるように…
「神子っ神子っ!」
「白龍!」
もうここはだめだよ、神子──
「ダメだよ!白龍!一緒に行こうっ!?」
それでも、白龍は縦に首を振らない
「神子だけなら…助けられるよ」
生きて───神子
白龍が喉から逆鱗を取ると透けていなくなってしまって
「待って!行かないで!白龍!!いやああぁぁぁ!」
空間が歪み、気がついたら学校の渡り廊下
外は雨
服装は制服
"譲君"と"将臣君"がいない"始まりの場所"
違うのは手の中にある"白龍の逆鱗"
記憶にあるのは、次の授業じゃなくて、八葉の皆や、朔や白龍の顔…京の事、源氏の事、平家の事……
神様に選ばれたのは私
「皆を助けたい───!」
手の中にある白龍の逆鱗を握りしめ、強く願った
私が望むのは───
end
*夢見月*様からお題をお借りしました
20150528