立海

□俺の幸村
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『うわぁ…ほんとにゲンイチローくんの言ったとおりにふってきた!すごいね』

『おじいさまがこんなお空のときは気をつけなさいっておしえてくれたから…すごくないよ…』

『びちょびちょになっちゃったね』

あまやどりしながらお迎えがくるのをまった。
しゃがみこんだせいいち君は、あじさいの花をゆびでつんつんしながら言った。
半ズボンから見えた太ももが、ボクよりむちむちしてて見ちゃいけないような気がした。

『ゲンイチローくん?』

『ご、ごめん!』

こっちを見たせいいち君に、ボクはびっくりしてしまう。
そんなボクの声におどろいたせいいち君が、しりもちをついてしまった。
ズボンの中が見えてしまったから、ボクはしっかり見てた。

ほんとうに男の子だった。
男の子でよかった。
なんで男の子なんだろう。

ズボンのおしりについた土をパタパタはたきながら立ち上がったせいいち君は、ボクを見てちょっとおこってた。






(まだ5歳頃だった…あの時は一刻も早くお祖父様に迎えにきてほしくて、たまらん気持ちだったな)
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