立海

□こねまわして!愛ス。
2ページ/12ページ


仁王は変わった。
柳生が変えた。

「仁王くん!ふざけないでください!」

「プリッ」

「いい加減に―--!」

本当に驚いたよ。
他部活の、それもかなりな優等生を勧誘して来たんだから。
天地がひっくり返ったって、巡り会わないような二人じゃないか。
案の定、ダブルスを組んだら、毎日喧嘩してる。その癖楽しそうに見えるのはなんでだろう。

「柳生〜見てみろい!」

「?……!?%££♀♂¥☆」

「また騙されたンスか?」

「仁王にもらった〜」

「プリッ」

「に、に、仁王くん!!丸井くんもです!」

「ダブルスやろうぜ!赤也!審判な」

「お断りします!もう仁王くんとは組みません!」

「柳生、よう聞きんしゃい…」

「…組みます」

正直、羨ましい、とか思ったよ。

「まあ、これはこれでいいペアになるな。…ところで弦一郎、いつから禿げ帽子になったんだ」

「…な!いつの間に!仁王ーーー!!」

「私は柳生です!真田くん、鉄拳はあちらに!」

仁王のプレイスタイルが生まれたのは、柳生のおかげだ。
柳生がいれば、仁王の周りには人が集まった。
凹凸コンビは、人を惑わし誘い寄せる。
仁王のテニスの思う壺だ。
そこまで考えて、ダブルスの相手を選出したのなら、大したものだ。
でも、テニス経験者を選べば、もっと強くなったんじゃないかと欲張るのは、当初の部長としての俺の意見だった。

「柳生じゃなきゃダメじゃき」

ゴルフ部で紳士な柳生を、どうやって説き伏せたのか。

「俺をペテン師にさせたのは柳生ぜよ」

―――ふふ、まさか。

「どうやったら振り向いてくれるか、そればっか考えてたら、手段を選んでる場合じゃなかったき」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ