立海

□期待のルーキーっスから!
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最近、柳先輩に難しい日本語を教えてもらったっス。
つまりこういうのを“甘美な”っていうんしょ。



今日は3年生の都合上、滅多にないオフになった。
つーわけで、放課後さっそく友達に借りたエロ……いかがわしい本を開きに来たってわけ。
誰もいない空き教室ならちょうどいいと思ったんだけど…

教室のドアが乱暴に開いて、邪魔者が入ってきた。
俺はとっさに本を抱えて教卓の下のスペースに転がり込んだ。

『ちょっとまて、怒ってるのか?』

あらら、喧嘩なわけ?
でもこの中性的な声はよく知ってる。
いかがわしい本も気になるけど、この現場の方が問題っしょ。
声の主がわかってしまったからには、もうここから出るわけにはいかなくなった。

(幸村部長にだけはこんな本を見られたくねぇ……)

なんか、けいべつ?白い目で見られそうだから。
それは嫌だ。
今は体を小さくして、早く部長が出ていってくれるのを待つしかない。

『勘違いするなよ。痛っ…離せ』

つーか誰だよ、部長をいじめてるの。
場合によっては助太刀するつもりだ。

『自覚をしろと言っただろう。何故わからんのだ』

『わからないな。クラスの友達と話すのも駄目だっていうのか』

『触られていたではないか』

『俺だってふざけたりはしゃいだりするよ。お堅い真田にはわからないだろうけど』

げっ!
副部長が相手じゃまずい。

『フフ…よかったよ、真田と同じクラスにならなくて。ずっと拘束されそうだもんな』

『幸村っ!』

大声に驚いたのは、俺だけじゃないはずだ。
幸村部長が心配になる。

『…怒鳴ってどうするつもりだい?』

心配をよそに部長の声は落ち着いていて、逆に挑発しているように感じる。
さすが部長。
副部長のすることに動じない。
こんな時の副部長は、たいてい返す言葉がなくて部長と距離をとってやり過ごしていた。
だから、これで俺はこの状況から解放されると思っていた。
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