ギャグ小説の段

□兵庫水軍怖い話大会
5ページ/5ページ

しかし怯える皆をよそに義丸は声をあげて盛大に笑った。

義丸「あはははっ!」
疾風「義っ!?」
網問「何でそんな笑ってられるんですか!?」
東南風「またいつ心霊現象が起こるか分かりませんよ!?」
義丸「ははは、大丈夫だって」
間切「何が大丈夫なもんですか!」
航「なんでそんなどっしりしてられるんですか!?」
疾風「お、お前、怖いものないのかよ!?」
義丸「怖いもの?んー…女性、ですかね?」
疾風「んなこと聞いてねーよ!」
義丸「あはは!でも、本当に大丈夫ですよ。それ、心霊現象じゃないですから」
疾・航・重・東・間・網「「「「「「??」」」」」」
義丸「なぁ、鬼蜘蛛丸?」

そう言うと義丸は横目でチラリと鬼蜘蛛丸を見て、意地悪く口端を持ち上げてみせた。

鬼蜘蛛丸「っ!?」
義丸「なぁ、網問」
網問「はい?」
義丸「今度また俺の部屋でそんな声が聞こえてきたら、そっと障子を開けてごらん?」
鬼蜘蛛丸「よ、義っ!!」
網問「い、嫌ですよ!お化けなんて見たくないです!!」」
義丸「あっはっは!怖いもんじゃなくて、もしかしたら楽園が見えるかもしれないぜ?なぁ、鬼蜘蛛丸?」
鬼蜘蛛丸「馬鹿っ!こいつらにそんなことっ!」
疾・航・重・東・間・網「「「「「「??」」」」」」
義丸「なんならお兄さんが大人の階段を教えてやっても…」

―ボカッ!

鬼蜘蛛丸「やめい!」
義丸「いって〜」
疾・航・重・東・間・網「「「「「「??」」」」」」
蜉蝣「……」
舳丸「……こほん、話題を変えましょう」
鬼蜘蛛丸「さすが舳丸、冷静に軌道修正してくれるなぁ」
舳丸「では、私から一つ」
義丸「おっ!普段は聞き役なのに珍しいな」
舳丸「えぇ。…間切、お化けは怖いか?」
間切「え!?はい!怖いです」
舳丸「では東南風、お化けがもし東南風の部屋にいたら…」
東南風「嫌です嫌です!無理無理!」
舳丸「なぜ?」
東南風「だって、お化けや妖怪はこの世のものではないから…」
舳丸「そうか。…じゃあ、最後に重」
重「は、はい!」
舳丸「もし重の部屋に知らないおじさんがいたら」
重「…はい?」
舳丸「重が船から戻ってきた時、部屋に知らないおじさんがいて、親しげに、やぁ、おかえりって言ってきたら…」
網問「待って!」
航「それってお化けですか?」
舳丸「いや、生きている本物の人間のおじさんだ」
義丸「なにそれ!?」
疾風「怖い怖い怖い怖い!!!」
舳丸「でしょう?つまりはそういうことです」
一同「??」
舳丸「生身の人間が一番怖いんです」
一同「……」
一同――いや、お前の発想の方が怖いわ…――





舳丸って独特の感性持ってそうだよね


 
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ