ギャグ小説の段

□兵庫水軍怖い話大会
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由良四郎「それで、その濡れ女子の正体は何だったんだ?」
鬼蜘蛛丸「忍術学園ていう、忍者の学校の先生だったんです」
航「忍術…?」
蜉蝣「生徒たちの海の授業の補修場所を探して、夜な夜な海を潜っていたんだと」
網問「へぇ」
義丸「それで、海から上がってくる時に髪についた海藻が、濡れ女子の髪に見えた」
間切「なるほどぉ」
東南風「それにしても忍者の学校なんてあるんですね」
航「カッコいいねぇ」
間切「手裏剣シュシュってやるのかなぁ?」
網問「忍法隠れ身の術!ドロン!ってね」
兵庫第三協栄丸「いやぁ…そんなことはやってなかったよなぁ」
義丸「俺たちと似たような武器使ってましたよね」
蜉蝣「あぁ」
重「でも、一人だけ包帯で闘ってましたけどね」

思い出したように重が小さく笑った。

東南風「包帯?」
鬼蜘蛛丸「そう。“乱定剣”ってやたらといい声で言ってな」
間切「乱定…なんですか、それ?」
義丸「乱定剣。手元にあるものをなんでも武器にする技らしいぞ」
重「それで褌で作った包帯で闘ってたんだ」
鬼蜘蛛丸「誰の褌だったんだろうな?あれ」
義丸「さぁ…?」
兵・蜉・鬼・義・舳・重「「「「「「……」」」」」」
航「?」
由良四郎「どうしたんだ?」
蜉蝣「…ま、まぁ、気を取り直して次だ、次!」
重「そ、そうですね!」
蜉蝣「次、誰かあるか?」
疾風「げ!まだやるのかよ!?お、俺はその忍者たちの話聞きたいなー」
網問「では僕がいきます!」
疾風「聞きたいなー」
蜉蝣「よし、頼んだぞ網問!」
疾風「なー…ておいっ!!」
網問「あいあいさー!……こほん、ではこれはこの間僕が深夜厠に行ったときに起こった話です…」
疾風「あ〜〜聞きたくない聞きたくない!!」
網問「深夜、厠に行きたくなってふと目を覚ましたんです。怖いけど部屋を出て用を足して月明かりを頼りに水軍館の廊下を部屋に向かって歩いてたら…」
東南風「あ、歩いてたら…?」
網問「寝静まってるはずの、この中にいるある人の部屋から人のうめき声みたいなのが聞こえたんです…」
重「う、うめき声…!?」
網問「そう。あ…、とか、はぁっ…とか…」
間切「ひぇ…!!」
航「そ、それは誰の部屋から…?」
網問「……」
重「ここまできたんだ…、言えよぉ…」

ごくり、と網問の喉が鳴り、

網問「……義兄です」

上目使いに網問いは義丸を真っ直ぐに見つめた。
それは恐怖と、それを言うことへの申し訳なさで微かに揺れている。

義丸「?…俺?」
網問「そうです、義兄の部屋から押し殺したような声が…!」
疾風「ぎゃーーー!!!」
鬼蜘蛛丸「うわっ!疾風さん、またしがみついて!耳元で叫ばないでさくださいって!」
疾風「いやだー!そんな身近で心霊現象なんてー!俺もう義の部屋行けないー!!」
網問「僕も怖くなって、急いで部屋に戻ってしまったんです」
重「義兄、大丈夫ですか!?」
間切「そんな部屋、早く引っ越しましょう!」


 
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