ギャグ小説の段

□も〜もたろさん
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伊作「えー、テス、テス…只今マイクのテスト中……。大丈夫そうかい?…うん、じゃあ始めるよ?…えっ?あ、うん大丈夫。じゃあ始めるね。
 えーと…、本日は、学園長の突然の思いつきによる忍術学園学園祭、及び、学園長の迷惑な…、ありがたい思いつきによって企画されました、6年生と4年生によります合同劇『桃太郎』に足をお運びいただきましてありがとうございます。
 最後までごゆるりとご覧下さい。
 ……。
 ……ほら、前説終わったから幕開けてっ!
 ……はじまりはじまりー。
 むかーしむかし、ある所にお爺さんとお婆さんがいました。
 お爺さんとお婆さんは子供がいなく二人暮らしでしたが、大そう仲良く暮らしていました。
 ある日お爺さんは山へ落とし穴堀りへ、お婆さんは川へ洗濯に行きました」

綾部「お婆さん、ワシは落とし穴堀りへ行ってくるよ」

小平太「行ってらっしゃいお爺さん。俺、じゃなかった…、私も川へ洗濯へ行ってくるわ。いけいけドンドーン!」

伊作「こうしてお爺さんはクワを担ぎ落とし穴堀りへ、お婆さんは洗濯物を担ぎ元気良く走り去りました。
 お婆さんが川で洗濯をしていると、上流から大きな桃がどんぶらこーどんぶらこ、と流れてきました」

小平太「お!あれは大きな桃じゃないか!どれ早速捕まえよう」

伊作「お婆さんは腰から鉤縄を取り出すと、桃へ向かってえいや、と投げました」

小平太「えいやっ!おっ、引っかかったぞ!引っ張れドンドーン」

伊作「お婆さんは見事桃を手に入れました」

小平太「へへへ。俺…、私にかかればこんなものよ!さぁ、帰ってお爺さんと食べましょう」

伊作「お婆さんは軽々と桃を持ち上げて家路につきました」

小平太「ただいまー!」

綾部「おかえりなさ〜い。おや?その桃はどうしたんだい?」

小平太「川から流れてきたんですよ。さっそく割って食べましょう」

綾部「そうしよー」

伊作「お婆さんは懐から苦無を取り出すと、桃の一点をつきました」

小平太「どんな大きな岩でも必ず目があり、その一点をつけば綺麗に割ることができるのだ!」

伊作「すると、桃はパカッと二つに割れ…中から男の子が産まれました」

仙蔵「おぎゃーおぎゃー」

綾部「ひゃー!元気な男の子だぁ」

小平太「なんて可愛い男の子でしょう」

伊作「お爺さんとお婆さんはその子に桃太郎と名付け大そう可愛がり幸せに過ごしましたとさ。
 ……。」

食満「…待て待て待て待て!話を終わらせてるんじゃねーよ伊作!」

伊作「すまない留三郎」

食満「可愛いから許す!」

文次郎「許すなっ!これで終わったら俺たちの出番がなくなるだろう!」

仙蔵「でぇ〜いっ!このままでは私が赤ちゃんの役で終わってしまうではないかっ!続けるぞ!
 私は桃太郎。誰がなんと言おうと大きく育った桃太郎。
 最近鬼たちが何やら悪いことをして人々を困らせていると聞いた。
 お爺さん、お婆さん。私が産まれた時からお爺さんとお婆さん。一体今いつくなんですか、あなた方?
 そんなことより私は鬼退治に行ってきます」

綾部「ふぁ〜……、行ってらっしゃ〜い…」

仙蔵「コラ!飽きるなっ!」

小平太「桃太郎、鬼退治に行くならこれを持って行きなさい」

仙蔵「これは?」

小平太「黒古毛搬蔵先生特製の忍者食だ」

仙蔵「…うむ。ではお爺さん、お婆さん私は行ってきます」

小平太「おぅ!頑張れよー!」

綾部「行ってらっしゃ〜い…」

伊作「こうして桃太郎は鬼退治へ向かいました」

 
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