ギャグ小説の段

□羽衣伝説
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「見てくださーい、鬼蜘蛛丸さん!」

「ん?なんだ、網問?」

「こんなの拾いました!」

網問がにこやかに自身の両手を鬼蜘蛛丸へ差し出すと、そこには潮風にひらひらと優雅に舞う布が握られていた。

「ほぉ、綺麗な色の布だな」

「はい!」

薄桃色の布は見るからに上質な糸で織られており、思わず触りたくなるほどだ。

それは縦が6寸、横が6尺ほどの細長い布だった。

「これ、どうしたんだ?」

「さっき海岸歩いてたら、松の木に引っかかってたんです。周りを見ても誰もいなかったので、風に舞ってきたのかなぁ、って」

「で、持ってきちゃったのか?」

「はい。…まずかったですかね?」

そこへ一人の男が現れた。

「いいや、網問くん。君はいい仕事をしたよ」

「義丸さん!?」

「義、何がいい仕事なんだ?もしかしたら今ごろ無くなって困っている人がいるかもしれないだろう」

「鬼蜘蛛丸ー。お前はもうちょいココを使いなさいよ」

義丸は、ココと言いながら人差し指で自身のこめかみを、とんとん、と叩いた。

「どうゆうことだ?」

すると、義丸の背後から

「説明しよう!」

声と共に新たな男が現れた。

 
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