画面を超えて
□初仕事です
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翌朝。私は部屋の全身鏡の前で睨めっこをしていた。
「本当に…こんな感じでいいのかな…」
昨日谷崎兄妹と一緒に買い物に行った際に買った服。
「仕事用に」と選んでくれたのはYシャツに赤い細ネクタイ、その上からぶかぶかの白いカーディガンを羽織り、下には膝より10pも上の黒いミニスカート。そして黒タイツと茶色いブーツ。
二人に「絶対似合うから!」とゴリ押しされて購入を決めたのだ。
とりあえず着てみたが…流石に短い。
足を通り抜けていく風がくすぐったくて仕方が無い。
スカートなんて殆ど穿いたことがないのに…
「…しょうがない。もう今日はこれで行こう。」
時間が迫っていたので今日はもうこれで行くことにした。
火の元と戸締まりを確認すると、「行ってきます」と誰もいない部屋に向かって呟いた。
ドアを閉めて、鍵をかけた。