〜キセキ〜
□第1Q
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瑠璃
髪は茶色で目も同色
活発で明るい
体型は普通
顔は可愛い
勉強は苦手
小学校生の頃、
赤司くんはミニバス
私はミニバレー
6年生で同じクラスになった私たちはよく話をするようになった。
話すことはスポーツのこと。
お互いにキャプテンをやっていた私たちは、気もあってよく一緒にいた。
中学に上がっても
お互い頑張ろうと約束をして、
同じ地区の帝光中へ2人とも
入学した。
『.........』
赤 『瑠璃どうしたんだい?』
クラスが離れ離れになってしまったが、たまたま赤司くんが来てくれた
(やばい泣きそう)
職員室のまえでボーッとしてる私を見て何人もの人が指を指していた。
でも今の私にはどうでもいい。
『バレー部.....』
赤 『バレー部で何かあったのかい?』
思わず涙が零れる
『今年度から廃部になったんだって...今日から練習に行こうと思って顧問の先生のとこにきたら...』
[日本一]を目指して頑張ろうと張り切って入学した私には耐え難い事実だった。
バレーをしないでどうやって過ごせというの?
あり得ない。
赤 『瑠璃大丈夫だよ。今日は一緒に帰ろう?ね?』
『うん...』
? 『あ!赤ちん〜こんなとこでなにしてんの〜?』
赤 『いや。なんでもない。それより今日は練習に行かない。コーチとキャプテンに言っといてくれ、紫原』
赤司くんが紫原と言ったその人はとにかくでかい。
(2m...はあるのかな?)
紫 『え〜いいな〜赤ちん〜』
赤 『紫原はだめだ』
赤司くんにそういわれると渋々体育館へ向かうでかいひと。
『赤司くん?部活休むことないから!私のことで赤司くんの足を引っ張るのは嫌...でも一緒にかえりたいから教室で待ってる...』
足を引っ張ることはしたくなかった
でもやっぱり赤司くんに側に居て欲しいと素直に思った。
赤 『足を引っ張るなんてことは全くないよ。でも、瑠璃がそういうのならば、そうさせてもらうよ』
赤司くんは頭を撫でて、体育館へ向かった。
赤 『なるべく早く行くから!あと、中学に行ったら赤司くんて呼び方はやめる約束だろう?』
赤司くんは廊下で振り向いて、笑顔でそう言った。
『わかったよ!頑張ってね、征ちゃん』
赤司くんは手を挙げて、去って行った。私を征ちゃんを見えなくなるまでずっと見ていた。
赤司くん、いや征ちゃんはいつも私の味方でいてくれる。
小学校の時からずっとそう。
試合で負けた時もキャプテンだからと泣くのをずっと堪えてたのに征ちゃんの言葉で涙が止まらなくなる。
涙が枯れるまで征ちゃんの前で泣いて、次からまた頑張れる。
そんなことが何度あったろう、
でも征ちゃん?
私にはもう次がないんだよ...
頑張る必要がなくなった。
そしたら征ちゃんと私の関係はなくなっちゃうのかな?
虚しい現実。まだ慣れない廊下を歩いて教室へ向かう。これから先のバレーのない3年間がどんなにつまらないものになるんだろうと、先を思いやって足取り重く歩いた。
『え?』
誰もいないはずの教室。
そこには金髪のイケメンがいた。
座ってイヤホンで音楽を聴いている。
そこにいる彼は何を考えているのか外を眺めていた。
夕焼けの教室。
『きれー...』
素直に出た言葉。
まるで絵のような風景に
目が釘付けになる。
? 『?誰っスか?』
どれくらい見つめていただろう
永遠のように思えた時間は彼の言葉で遮られた。
『あっ、ごめんなさい。つい...』
彼がこっちを向いてすぐわかった。
黄瀬涼太。
同じクラスで、女の子から常にキャーキャー言われていたやつだ。
いつもそれを見て、煩いなーとか思っていた。
それに、モデルをやっているらしい彼が振りまく笑顔が嫌いだった。
そんな彼に見惚れてしまったことに
自分でショックを受ける。
『同じクラスの瑠璃だよ。あなたにようがあってきた訳じゃないよ』
黄 『そうなんすか?珍しいっスね〜ってかすげー見られてたから俺目当ての子かと思ったっスよ』
少なからずイラっとした。
なんだこの自信過剰は。
『じやあ、また』
彼と同じ空間に入れる筈もなく、すぐさま立ち去ろうとした。
黄 『この教室に用があったんじゃないっスか?』
『そうだけど、先客がいるから移動するよ』
私は手を振って行こうとしたが
黄 『いいっすよ!俺もう帰るんで。時間差しないと女の子たちが寄ってきてなかなか帰れないんスよ!だから帰ったふりして、ここに戻ってきたんス』
以外だった。
ああやって女の子に囲まれることが好きなのかと思ってたから。
でも、やっぱり嫌味に聞こえてイラっとした。
そして彼は手を振りながら教室から出ていった。
“これが黄瀬涼太との出会いだった”