〜キセキ〜

□第1Q
2ページ/4ページ

『え?征ちゃん本気?』

赤 『本気だよ。今日の部活中にずっと考えていたんだ。バレーが出来なくなったといって、中学時代を適当に過ごしてもらいたくないんだ、瑠璃には。それに瑠璃にはその目がある。宝の持ち腐れは良くないだろ』

征ちゃんは笑いながら話す。
なぜこうなったかというと
征ちゃんが教室まで迎えに来てくれて、一緒に歩く帰り道で私はバレー部がなくなった不満をひたすら征ちゃんに話した。
するとあっという間に家に着いていた。

『征ちゃん、話聞いてくれてありがとう。征ちゃんがいなかったら私死んじゃってたかも』

赤 『ははっ大丈夫だよ。』

『ほんとありがとう!まだ正直バレーやれないとか信じられないし、納得いかないけど落ち着いて考えてみる』

赤 『...』

あれ?征ちゃんどうしたんだろ?

赤 『バスケ部のマネージャーにならないか?』

ということで今に至るのだ。

『征ちゃん...』

私は征ちゃんの言葉に少しショックを受けた。
私はそんな中途半端な気持ちでバレーをやってきたわけじゃない。
そんなすぐ現実を受け止めて切り替えられるわけがない。
それは征ちゃんはよくわかっていると思っていた。
もうあきらめろ、って言われてる気分になった。

『やるわけないでしょ』

赤 『僕は瑠璃をここで終わらせたくないんだ。それだけはわかってくれ。じやあ、僕は行くよ、また明日。』

征ちゃんは頭を撫でて帰っていった。
今度は複雑な気持ちで征ちゃんが見えなくなるまで見ていた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ