本編

□序章 ハッピーエンドは迎えない
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何故か私は羊に取り囲まれていた。

皆毛がふわふわして柔らかそうだ。
「もふもふ…」

私は羊に向かって飛び込んだ。



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「ねね!!」

「!?」

いきなり耳元で叫ばれてベッドから飛び起きる

「…もう…朝?」
もう少し寝かせてくれれば…

「ねねの友達連れて行くんだろ?図書。」

「そ、だった。にぃに、今何時?」

おにぃはずい、と私の目の前に目覚まし時計をつき出す。

「…あと18分…。」
三十分に友達がうちに来る予定だけど、それまでに用意…間に合う気がしない


「いっそ図書館キャンセルでお兄ちゃんとデートするか?」
「…にぃにも…図書館、ついてくればいい。」
「着替えてくる。」
言うが早いか、にぃには分の部屋に走っていった

「…よし」

半分寝ぼけたまま用意しておいたニットのワンピースを来て、ベルトを付ける。

「ねね着替えてきたぞ!!」
恐ろしいスピードで完璧に身支度を済ませたにぃにが私の部屋に入ってきた。
「にぃに…髪、お願い」
「喜んで」
おにぃは手先が器用で細かい作業が得意だから、大体髪を結んでくれるのはにぃに。

「よしOK。今日も可愛いぞ妹よ。」

「…ん」

ピンポーン
会話に割り込んでくるように玄関のチャイムが鳴る。

「ねねの友達か…?」
「…出てくる」

階段をかけ降りて玄関のドアを開く。
「あら、ねねじゃない。」

「…ミルさん…どうしたの」

「暇だったから遊びに来たんだけど、何処か行くの?」

「…図書館。」

ミルさんはオネェで口調は変だけど、カッコイイし優しくていい人だと思う。
「何だ。お出かけするなら仕方ないわねぇ。」
「……来る?」
途端にミルさんが笑顔になる。
「いいの?嬉しいわぁ。」
「友達も来るけど…いい?」

「勿論よ!」
私はミルさんをリビングに通し、お茶を出した
「…にぃに呼ぶ。待ってて」

「了解!」
ミルさんは私に敬礼をしてお茶を飲んだ。
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