非公開
□羊に恋する
1ページ/1ページ
羊に恋して(蓮二)
「お前は羊のようだな?」
「突然どうしたんですか?蓮二君。」
「いや・・・」
まっさらで、純白で、手を伸ばして抱きしめたくなる。
白いニットがさらに羊を引き出しているようだ。
「私が羊なら、今年は私の年ですね?」
「そうだな・・・随分と可愛らしい羊だ。」
「っ//」
「なんだ、照れているのか?」
ソファの背もたれに肘を突いて、開眼して見つめる。
かっと赤く色づく頬は、白い肌に生える。
「お前みたいに可愛らしい羊が隣に居るのなら、今年は良い1年になりそうだな。」
「もうっ・・・そうやって、いっつも私をからかう・・・。」
「ふっ・・・からかってなんか居ないさ。ただ、」
頬をするりと撫でて、ぐっと顔を近づける。
見る見る赤くなる顔、短く吐かれた息。
いつまでたっても、緊張している姿は可愛い。
「お前のことを、心から可愛いと思っているだけだ、かなた。」
「んっ・・・ふっ・・・」
唇を塞げば、鼻にかかった甘い声。
舌で乱せば、ビクリと上がる細い肩。
「ぁっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「いつまでたってもなれないな?」
「ぅ・・・」
「そうへこむな。お前はそれで良い。」
ぎゅっと抱きしめて、頭を撫でる。
お前は、真っ白なままで、
俺の腕の中に閉じ込められていればいい。
その純白を守ってやる。
その純白を汚してやる。
「蓮二君は・・・狼さんですね。」
「狼?」
「そう・・・わるーい狼さん。」
「それは聞き捨てならないな」
こんなにもお前を愛しているのに、お前は俺を、悪い狼だという。
まぁ、それも良いかもしれない。
お前はそんな狼の元に望んでいるんだからな。
「羊を閉じ込めて、餌を与えて肥えさせて、最後には食べてしまう・・・ヘンゼルとグレーテルの魔女みたい。」
「なるほど、それならもっとお前を甘やかして、俺が悪い狼だと言うことを忘れてもらわなければならないか?」
意地悪く笑って、おでこに軽くキスをする。
とたんに俯いてしまう俺の羊。
あぁ、なんて可愛いのだろう。
「羊だって・・・、」
「ん?」
「羊だって、狼を噛むんだから」
「おわっ!?」
ぐっと肩を押されて、そのままソファに押し倒される。
俺の上には、可愛い羊。
「ふっ・・・これは困った羊を捕まえてしまった。」
「捕まえたのは、貴方なんですから・・・責任、取ってください//」
「そうだな・・・おいで、かなた。」
可愛い羊に襲われる、甘い新年。
+++++++
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
管理人 瀬戸梨駈