非公開

□君は幼馴染み
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クラスの友達とある程度駄弁ってバイバイして、

その足で向かうのは人がまばらな図書室。


外が赤くなってきたら、お揃いのしおりを挟んで向かうはアイツの居るテニスコート。



2、「付き合ってるんですか?」



「蓮ニー、まだー?」

「すまない、もう少し待っていてくれ。」

「ん」


流石にこの時間になると、見学者も疎らだ。


「あ、あの、羽柴先輩・・・ですよね?」

「ん?あぁ、そうだけど・・・」

「ちょっと、お話良いですか?」


可愛らしい後輩ちゃんと、人の居ない水飲み場まで行く。

んー・・・なんだろう。

内容が全く分からない。


「あの・・・羽柴先輩は、柳先輩と、付き合ってらっしゃるんですか?」

「いいえ全く。」


なんでそんな話にぶっ飛んだ可愛い後輩ちゃんよ・・・。


「じゃ、じゃぁ、あの、協力してもらえませんか?!」

「え、何の?」

「な、なんのって・・・その、私柳先輩のことが・・・好きで、」

「あぁなるほど!」


蓮ニのことが好きだなんて、なんて物好き!

よかったね蓮ニ!!


心の中で蓮ニにグッジョブしてたら、
後輩ちゃんに、肩をがっしりとつかまれる。


あぁそうか、後輩ちゃんの方が背高いじゃん・・・。

ってか、私チビじゃん・・・

あ、目にごみが・・・。


「だから!私の恋に協力してくれませんか?!」

「断る!」

「・・・・へ?」


いくら可愛いからって!

いくら私より背が高いからって!


面倒ごとに巻き込まれるのはご遠慮願いたい。


「もしかして・・・先輩も、柳先輩のことが、その・・・好き、なんですか?」

「え?好きだよ?」

「え・・・。」

「だって、蓮ニは私の幼馴染みで、たった一人の親友だから!」


後輩ちゃんは、呆れたように私を見つめた。
え、なんか違った?


「かなた、ここにいたのか・・・。」

「あ、蓮ニだー」

「や、柳先輩!!」


おー、顔真っ赤。


「ん?お前は・・・」

「お疲れ様です!」

「・・・部活、最後まで見ていたのか?」

「ぁ・・・はいっ//」


でも、なんだか柳はあんまり嬉しそうじゃなくて、

ちょっと冷めた目で後輩ちゃんを見つめてた。


蓮ニに惚れてる後輩ちゃんは気づいてない。


「・・・蓮ニーお腹すいたっ!はよ帰るぞ!」


機嫌の悪い蓮ニは嫌いだ。

何せ、蓮ニの面白い話が聞けなくなるし、
私の調子が狂うのだ。


「そうだな、帰ろう。」

「じゃーね、後輩ちゃん!」

「は、はい、さようならっ!」





(何を話していたんだ?)
(蓮ニはかっこいいねーって話)
(ほぅ・・・で?本当は?)
(疑わないの!別に間違ってないしー)

((何故だろう・・・羽柴先輩の笑顔が忘れられない・・・。))
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