非公開

□君は幼馴染み
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今年の誕生日は、
ある意味たくさんのものを蓮ニから貰った。




13、世話焼き癖と甘え癖




「かなた、スカートの裾からジャージが見えてるぞ?」

「ん?それがどした?」


蓮ニため息をついて私の前に跪く。
丁寧にジャージの裾を折っていく。


「相変わらず過保後・・・っ?!」


ぞわりとした感覚に、驚いて蓮ニを見る。


「よし、出来たぞ。」

「れ、蓮ニい、今っ」


太股を撫でられたっ!!

あの蓮ニが!太股を撫でた!!


てんぱって、口をぱくぱくしていたら、


「ん?どうした?」


と、蓮ニは意地悪そうに笑った。


「か、確信犯か貴様っ!!」

「彼氏に向かって貴様とは、随分な言い様じゃないかかなた?」


それも、付き合ってからというもの、蓮ニは故意に私と付き合っていることを公言する。

初日は・・・色んな友達からそりゃもう何があったと聞かれましたよえぇ・・・。





「蓮ニー、まだー?」

「あぁ、もう少しだ。」


もう、随分寒くなってきた。


「あーあ、今日、」

「『マフラーくらいしてくればよかった』とお前は言う。」


心地よい低音と、首元にふわりと巻かれたマフラー。

マフラーからはもちろん。


「蓮ニの匂いがする・・・。」


すんすんと堪能していたら、頭をぺしりと叩かれた。

「なにすんだよ。」って振り返ったら、顔を背けてる蓮ニ・・・

なーんだ、恥ずかしかったのか。


「蓮ニー」

「ん?」

「手も、寒いなぁー」


挑発するように、手を出せば、
ふっと笑って、手を繋いでくれるこの不器用な彼氏は、私の幼馴染みです。


「俺は、お前を甘やかし過ぎたようだな。」

「蓮ニが世話焼きなだけだよ、きっと。」





(蓮ニー)
(なんだ?かなた)
(へへっ、幸せだなぁー)
(当たり前だ。)
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