非公開

□君は幼馴染み
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私は、親にお弁当を作ってもらったことが無い。

むしろ私が両親のお弁当を作ることがこの頃増えてきた。


蓮ニは昔から綺麗なお弁当で、中でも蓮ニのお母さんが作る卵焼きはめちゃくちゃおいしい。



7、そんなに羨ましいか



「蓮ニーお昼一緒に食べよー」

「正確には、勉強を教えろ・・・だな?」

「勉強はついで!目的は蓮ニの玉子焼き!!」

「もっと性質悪いわ」


古典がわけわかめで、
蓮ニとご飯食べるついでに教えてもらおうと蓮ニの教室に突撃してみた。


「今日はテニス部レギュラーで集まるが、それでもいいな?」

「ん?あぁ、真田とかでしょ?別に私は構わんよ?」


なんだかんだ言って、蓮ニは私に勉強を教えてくれる。

蓮ニ先生の教え方は分かりやすいから大好きだ!

あんなおじいちゃん先生なんかよりも、よっぽど分かりやすい・・・


あ、そもそもあの先生の声が聞こえないのが一番の問題だけれど。


「ってかさ、いつも思うけど、レギュラーのお昼に私が混ざっていいの?」

「お前はミーハーな女子ではないからな、真田も一目置いている。」

「なるほど。」


そして向かうはレギュラーの待つ屋上。


「ん?羽柴か。」

「羽柴ちゃん今日は一緒にご飯かの?」

「あれ?もう皆そろってんの?蓮ニ最後?」


あの蓮ニが?

それも、購買組みの仁王と丸井も居る・・・。


「あぁ!」

「やっと気づいたか、今日」

「『お前が俺に古典を聞きに来る確立は100%だった』と蓮ニは言う」

「ふっ、やられたな。」


なんだ、蓮ニ待っててくれたんだ。


「おぉ、羽柴今日弁当めっちゃうまそう!」

「丸井にはやらん。ってか、そんだけ菓子パン食ってまだ食うか。」


貴様はギャル曽根なのか、このやろう・・・。


「あっ!蓮ニ蓮ニ玉子焼きちょうだい!!」

「断る。」

「いいじゃん頂戴!」

「断る。大体お前も玉子焼き作ってきてるだろうが」

「違うんだって!蓮ニのお母さんの玉子焼きがいいの!」


蓮ニのお母さんの玉子焼きは特別だ・・・。

どんなに近づこうとしても、絶対に上手くいかない。

まぁ、別に私のもまずいわけじゃないんだけれど、でもやっぱり蓮ニのお母さんの玉子焼きは私の中では特別なのだ。


「蓮ニぃ〜・・・」

「・・・はぁ、食べにくい。そんなに羨ましいのか?」

「羨ましい、毎日その玉子焼きを食べれる蓮ニが羨ましい。」

「別に毎日入っているわけじゃない。」


むー・・・今日は手ごわいな・・・。


しょうがない、諦めるか。


「ほら、口あけろ。」

「え?」


蓮ニのほうを向けば、
一口サイズの玉子焼きをこっちに差し出す蓮ニ。


「くれるの?!」

「いらないのか?」

「食べる!」


そして、なんの躊躇も無く「あーん」をしてもらう。


「っ〜やっぱり蓮ニのお母さん天才!!」

「それはよかった。俺にも玉子焼きよこせ。」

「・・・味落ちるから断「ほう?今後は玉子焼き要らない、と?」


玉子焼きを取引に出されたら、
もう速攻で自分のお弁当の玉子焼きを一口サイズに切り分ける。


「はい、あーん」

「あーん・・・」

「どうだ?」


蓮ニが咀嚼して、ごくんと動く喉元を見つめる。


「ふむ・・・」


どきどきしたって、蓮ニのお母さんにはかなわないのだけれど・・・。

今度教えてもらおうかな・・・。


「やはり自分の母親は料理が上手いというデータが改めてとれた、ありがとう。」

「くっ!言い返せないからなおムカつく!!」


そして、皆と居るときの蓮ニは何故か少し意地悪だ。


「だが、」

「もう文句は受け付けません!」

「誰も文句を言うとは言ってないだろう?だが、お前の味がした・・・と、言おうと思っただけだ。」


なんだよ、私の味って・・・。


「どゆこと?」

「俺が好きな味だということだ。」





(俺ら居ること忘れないで欲しいぜよ・・・)
(リア充めっ!!爆発しろ!!)
(断る)(断る)
(た・・・たるんどるぅううううう!!!)
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