非公開
□変態に恋されてしまいました
3ページ/5ページ
夏休みのあのデート以降、
私の中の柳蓮ニという人物の存在は、日に日に大きくなっていっている。
そして、夏休みのあのデート以降、
柳蓮ニは学校の廊下でもセクハラをするようになった。
3、くっつかないでください移ります変態が
「おはよう、かなた」
chu
「れれれ、蓮ニ先輩っっ///」
たとえば、朝から挨拶代わりに頬にキスをされる。
「かなた、おはようは?」
「お・・・おはようございます//」
そして、ちゃんと挨拶するまで、至近距離で壁ドンされる・・・。
そしてある日は、
「かなた、来い。」
という一言で、昼休みずっと蓮ニ先輩の膝の上だった。
「先輩離して下さい」
「嫌だ。」
「嫌だって・・・もう、くっつかないでください!移ります変態が!!」
じたばたと暴れるも、後ろから抱きしめられて動けなくなる。
「暴れるな、本が読めないだろ?」
「だったら離せ!!」
そしてある日は、
「かなた。」
「あー、もう慣れました・・・。」
皆が居る廊下で、後ろから抱きつかれ、
髪にすりすりされる。
「む、シャンプー変えたのか?」
「何で分かるんですか・・・」
これをされるようになってから、
さらさらヘアの蓮ニ先輩に負けないように、
シャンプーもリンスも変えて、
トリートメントにも気を使うようになった。
「前も綺麗だったが、髪が一段と綺麗になった。」
なんで・・・この人は、さらっと・・・さらっと私を喜ばせることを言うんだ・・・
「っっ///」
「なんだ、恥ずかしいのか?」
そして、その意地悪な微笑みを向けるな馬鹿!!
「っだぁ!離れてください!移ります変態が!」
「む、心外だな、変態とは」
「無自覚か!!」
そして部活終わり、
夏休みが開けてから、私と蓮ニ先輩はあることが日課になっていた。
「かなた、帰るぞ。」
「はぁーい」
一緒に帰る。
そう、一緒に帰るのだ。
夏休み前までは、無かったのだ、こんなことは。
「これも・・・データ通りだったりして・・・」
「ん?何か言ったか?」
「いいぇ、何もー」
毎朝部室で勝手にセクハラを受けていたときは、
こうやって二人でゆっくり話したりすることは無かった。
まぁ、セクハラは酷くなったけれど。
「送ってもらってありがとうございました。」
「いや・・・かなた、」
「はい?」
「・・・また、明日な。」
帰り際、自分の家の玄関前で、
頭をぽんぽんと撫でられる。
あぁ、この顔は、初めてみる。
気が付いたら、先輩の胸倉掴んで、
頬にキス。
そして、驚いていて開眼しながら頬を押さえる蓮ニ先輩をほったらかして、ダッシュで家の中に入る。
「変態が・・・移った・・・」
全部全部、蓮ニ先輩のせい・・・