非公開

□恋ってやつは、
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俺だけが知っている君が欲しい。

君は素直で、純粋で、太陽みたいな子。


でも本当は、辛い、疲れた、そういえなくて、

笑顔で隠して、安心すると、静かな月みたいな少女。




5、うまく育てると愛に変化するらしい




自動販売機で、ココアを買う。


その足で階段を駆け上がる。


きっと彼女は、また一人ぼっちで俺を待ってる。


「はぁ・・・はぁ・・・」


そんなのが自惚れでも、俺が呼ばれている気がするのだから、別に構わない。


「見つかっちゃった・・・」


恥ずかしそうに笑う羽柴のおでこに、こつんとココアを当てる。

そして、隣に腰掛ける。


「別に、逃げなくても良いんじゃない?」

「ぅ・・・ゴメン」

「答えは、いつでも良いから。」


本当は今すぐに聞きたい。


「伊武君・・・」


君の本当の気持ちが聞きたい。


「ココアを飲んだら、一緒に帰ろう。」

「・・・き・・・」

「え?」

「私も・・・好きです。」


ワイシャツを掴む手が、ほんの少しだけ震えていて、

あぁ、愛しいと思った。


腕の中に閉じ込めて、やっと手に入ったと、ため息をつく。


「い、伊武君っ!?」

「深司・・・」

「え・・・。」

「これからは、深司って呼んで。かなた。」






恋ってやつは、
そ ん な い き も の 。






(お題提供:確かに恋だった 様)
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