先輩のワタシ。

□お揃いの彼
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「ねえ。音也くんはこの企画どういう目的だと思う?」



グラスについてしまった薄ピンクのグロスを丁寧に紙ナプキンでふきながら音也に尋ねる。

当の音也は唐突な質問に目を大きくし、考えている。



「えっと。俺プロデュースのデート?」

「うん。それもあるけど、これって音也くんの素をファンの人が見たいと思うの。」

「素の俺?」

「うん。だから音也くんはいつも通りの音也くんでいればいいんだよ。」





にこりと笑って頬杖えをついて不思議そうにしている音也にそう告げる。

最初の頃に比べては緊張のとれた音也だが、大人しいのは未だに彼らしくない。

奏はそのことを伝えようとしていた。



「奏さんってすごい人の事見るの上手だし、すごい優しいんですね。」

「そんなことないよ。」



大盛りのカレーを食べ終えた、音也のキラキラした目に見詰められて、奏はつい苦笑いしてしまう。



「だって最初会った日は空気違うというか。」



「ふふ。あの日はね、最初だから先輩らしくしなきゃと思ったのもあったし、音也くんたちみんな4人のことも認めないって感じだったし。」







「奏さんとQUARTET★NIGHTってけっこう付き合い長いんですか?」

「うーん。同期だからもう5年くらいになるかも。」





嶺二とは早乙女学園で出会い。他の3人はデビューのときから一緒だった。

年近いこともあり、よく同じ時間を過ごすようになった。

気難しい藍も珍しく奏にはよく懐いた。

蘭丸と最初出会った当初はそれこそ猫の様に毎日
奏を威嚇していたが、彼女の作曲家としての編曲技術、ストイックな姿勢、そしてギターの実力に思わず舌をまいたくらいだ。




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