先輩のワタシ。

□スタートの彼
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「ふふ。蘭丸文句言うけど、なんだかんだちゃんと歌うもんね。でもみんなと会うの久しぶりな気がする。最近全然局でも会わなかったし。」




「お前がツアーとか言うからしばらく空けてたんだろ。」


彼女は3ヶ月かけて全国ツアーをまわってきたばかり。帰ってきて早々の彼女にはなかなか休む暇もなく大きな仕事が待っていた。

むしろシャイニング早乙女も奏の帰りを待ってキャスティングしたのではないだろうか。

彼に聞かなければ真相はあわからないが。
 
「えー。なにー。私がいなくて寂しかったのー。蘭丸ー。」

「うるせえ。バカ。」





嶺二の腕のするりと抜け、少し先を歩く蘭丸に走り寄る。



たわいもない話をして、奏は蘭丸のデコピンをくらって顔をしかめている。



女嫌いであることで有名な蘭丸とここまで親しくできる女性はおそらく奏だけであろう。





「レイジはいつまでそんな顔してるつもりなの。」




「んー。なんのことアイアイ。僕ちんがイケメンで見惚れちゃった?」


「変なこと言ってないでその眉間の皺どうにかしないといい加減奏に嫌われるよ。奏は日本一鈍感だから気付いてないけど、脈拍、体温上昇、ボクから見たらすぐわかるよ。」







視線の先の2人のシルエットが嶺二の目に映った。



しゃがんで道端の猫をわしゃわしゃと撫でてたわむれている。



彼女はは大きな声で笑っている。

蘭丸でさえその口元にうっすらと笑みを浮かべている。











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