先輩のワタシ。
□マスターコースの彼
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「「「マスターコース」」」
嶺二、蘭丸、藍のQUARTET★NIGHTの3人はいつものごとく突然のシャイニング早乙女の招集により、社長室に集められていた。
シャイニングのその一言に3人は驚く。
とはいってもオーバーなリアクションをとる嶺二、蘭丸は気に入らないと依然として、憮然とした表情である。
藍に至っては内心何かあると予想していため、眉ひとつ動いていない。
「そうデ―――――ス。ユー達5人にはマスターコースを担当してもらいマース。」
「んー。今5人って言ったー? ミューちゃんとあと誰?」
「お仕事で、もう少し遅れるそうデ――ス。」
「チッ。最初からそう言えよな。」
蘭丸の遠慮のない舌打ちが響くとともに、コンコンと柔らかいノックの音が聞こえる。
そこからのぞいたのは淡いキャラメル色の美しく流れるような長い髪。
印象的な強い瞳の持ち主だった。
華奢な体とは裏腹にその動作は堂々としたものだった。
「シャイニーさん。失礼します。」
「あれー。奏ちゃんじゃん。」
「ん?嶺二くん?んん?シャイニーさん?」
奏は嶺二たちとシャイニングの交互に見つめ、わからないというように首を傾げている。
その頭の上にはてなの文字が浮かんでいる。
しかし、そんなことにいちいち疑問を持っていたらこの事務所ではやっていけない。
そこのいる全員はまたシャイニングの破天荒かと、もう諦めの表情だ。
「ユー達5人にはマスターコースを担当してもらいマース。」
パリーン。
シャイニング早乙女の窓からの逃亡によって、社長室の窓ガラスが大破した。
脱兎のごとく社長室から走り去って行く。
我が社長ながら、その人智を超える行動には関心すら覚える。
そのシャイニングの被害を一番に受けているのは龍也だった。
数々の奇行によって破損した箇所は全て修復しているのは龍也だ。
また彼の仕事が一つ増えることになったのだ。
足早に社長室から退室する。
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