先輩のワタシ。

□スタートの彼
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「奏はハルカの担当なんでしょ。」








QUARTET★NIGHTと美南奏は事務所の同期にあたる。


年齢も割と近く自然と一緒にいることが多かった。
彼女の屈託の無い笑顔と裏表のない性格に藍すらも懐いた。


嶺二と藍の間に奏が入り、一番小さな奏の歩幅に合わせて3人で並んで歩く。







少し前を蘭丸が会話に耳を傾けながら歩いている。



「うーん。でも作曲かー。出来ればあんまり名義のこと知られたくないんだよねー。みんなは同期だから最初から知ってるからいいんだけどさー。」



「そんなのいずれあいつらだってこの業界入ったらいずれ知ることだろ。」



奏のさして気にしていないような間の抜けた返事に、蘭丸が溜め息まじりに仏教に言葉を述べる。







「そーんなこと気にしなくていいのに。奏ちゃんはむしろそのこと自慢しちゃえばいいのに。」




嶺二は奏に後ろから手をまわし、いつもの挨拶をするかのように抱き着く。


大きな犬がじゃれているように見えるだろう。


奏も最初こそ驚いてはいたものの今では嶺二に抱き着かれながら、何事もなかったように平然と会話をすすめる。





「もう嶺二くんは相変わらずだね。やっぱり私まだ22歳だし、女だし、それだけで曲作ってなめられるの嫌なんだよね。蘭丸みたいなのもいるしね。ふふ。」



「なんだよ。俺は文句言ってないだろ。」





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