よみもの〜えくそ〜


□ゆるやかな波動
1ページ/1ページ





ゆるやかに満たされている。


恋愛初期のような情熱的なものではなく、ただゆるやかに。




ただ移動で外を一緒に歩く。
練習が終わって一緒に寝る。



それだけで満たされる。





「...、...レイ。」

「ん?どうしたの、クリス。」

「さっきから呼んでたけど、ぼーっとしてたよ、お前。どうかしたか?」

「ううん、何もないよ〜。」




本当に何もなかった。
ただこの時を、クリスが隣にいるということを噛み締めていただけだった。



レイはへらっと笑ってクリスを見る。

そう言うとやや間が空いて、クリスがレイの頭を優しく撫でる。




「あ〜、僕本当に幸せだな。」



クリスは得意げな顔をして、頭を撫でながらレイを見つめる。



「俺もだ。レイを見てると何と言うかすごく満たされてる感じだ。」

「これが愛ってやつかな。」

「さぁ、どうだろうな。」




クリスのひとつひとつの行動に優しさを感じる。
ぶっきらぼうな話し方は相変わらずだけど。




「明日も練習だから、早く寝よう。兄さんはくたくただ。」

「僕より練習してないくせに。笑」

「俺はラップ担当だからいいのさ。」

「ほんとにもう。」




何気ない会話にもクリスならではの柔らかさを感じる。


このゆるやかな空気感がなんとも言えず僕は好きだ。



近くにいるときも離れていても君を思うと感じるゆるやかな波動。










うちのクリレイは、イケメンクリス×儚いひたむきレイちゃん。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ