よみもの〜えくそ〜
□ゆるやかな波動
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ゆるやかに満たされている。
恋愛初期のような情熱的なものではなく、ただゆるやかに。
ただ移動で外を一緒に歩く。
練習が終わって一緒に寝る。
それだけで満たされる。
「...、...レイ。」
「ん?どうしたの、クリス。」
「さっきから呼んでたけど、ぼーっとしてたよ、お前。どうかしたか?」
「ううん、何もないよ〜。」
本当に何もなかった。
ただこの時を、クリスが隣にいるということを噛み締めていただけだった。
レイはへらっと笑ってクリスを見る。
そう言うとやや間が空いて、クリスがレイの頭を優しく撫でる。
「あ〜、僕本当に幸せだな。」
クリスは得意げな顔をして、頭を撫でながらレイを見つめる。
「俺もだ。レイを見てると何と言うかすごく満たされてる感じだ。」
「これが愛ってやつかな。」
「さぁ、どうだろうな。」
クリスのひとつひとつの行動に優しさを感じる。
ぶっきらぼうな話し方は相変わらずだけど。
「明日も練習だから、早く寝よう。兄さんはくたくただ。」
「僕より練習してないくせに。笑」
「俺はラップ担当だからいいのさ。」
「ほんとにもう。」
何気ない会話にもクリスならではの柔らかさを感じる。
このゆるやかな空気感がなんとも言えず僕は好きだ。
近くにいるときも離れていても君を思うと感じるゆるやかな波動。
うちのクリレイは、イケメンクリス×儚いひたむきレイちゃん。