アカネイア&覚醒&if短編

□きずあと
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ネタバレなし(唯一あるとするとマイルームでの会話がちょっと入ってます)



普段忙しいみたいだけど、なんだか私のことを疑っているみたいなので、なんとか誤解を解こうと部屋に呼んでみたのだ。
機密情報があるなんて、下手くそな嘘をついて。
まだマイキャッスルで皆と過ごすようになってそんなにたってないから、むしろ私は何もわかっていない。
つまり、機密情報なんてないのだ。

だけど真面目な忍は、私の部屋にやってきた。ノックをされて、あわてて寝台から立ち上がった。

「あの、どうぞ!」
「サイゾウ、参った」

忍らしく名乗りながら入ってきたサイゾウさんのしかめっ面ったらない。
スズカゼさんの兄とは――そんなに思えない。閉ざされた片目の眉間にはしわが寄っている。

「おい、なにをジロジロ見ている」
「ふぁ!あ、はい、すみません!」

ちょ、ちょっとジロジロ見すぎたよね!あわてて視線を外し、しばし沈黙。

「……要件は」
「え、あ、いや……その……」

しかも、要件はなし。
呼んだのは自分だけど、バカなマネしなきゃよかったと思う。
サイゾウさんは無表情(口元が隠れているから余計にそう見える)で……でもやっぱり、その目の傷が気になって、気がついたら腕を伸ばしていた。
サイゾウさんは気配とかに鋭いから、私の腕が伸びた時、避けるとか止めるとかできたはずだ。
だけど、私の手はサイゾウさんの頬に触れていた。
そのまま、そっと傷跡をなぞる。

「――そんなに傷がきになるか」
「えっ、や、あの……」
「片目さえ見えていれば問題ない」

ようやく、サイゾウさんは私の腕をつかんで下させた。
私……なにしてるんだろう、いきなり人の顔触ったりして。
我に返ると顔から火が出るほど恥ずかしくて、そんな赤面した私を見たサイゾウさんも困ったように顔をしかめた。

「っくだらん戯れに付き合わせるな。
俺は忙しい」

同じく、少しだけ赤面したサイゾウさんはつかんだ私の手を離して、さっさと行ってしまった。



きずあと


いふ第一弾はサイゾウさんでした。まだ八章までしかやってないのでキャラつかめてるかわかりませんが…

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