テリウス短編

□似たもの同士
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「レティ!おきろレティ!!」
「うぅん…」

どこかで、私を呼ぶ声が聞こえる。

「レティ!!」
「うわぁああ!」

あんまりの大声に驚き、飛び起きる――瞬間ものすごい衝撃が額に走った。

「――っ痛…! だれじゃあこの石頭っ…」
怒鳴りかけるも、目を開けて気づく。
「……おはよう、ございます…ケビン殿…」
「あ…ああ、おはよう!」

辺りを見回すとここは訓練場だ。
時刻は…まだ朝ごはんの前だな、おなかもすいているし。
なんでこんな早朝、訓練場にいたんだろうか…っは!も、もしや!

「も、申し訳ございません!」
「お、俺は大丈夫だ…」

そうだ!
今日はケビン殿が朝練習に付き合ってくださる日で、私は気合を入れて早起きをし斧を磨いてケビン殿を待っていたのだ!
だって先輩がじきじきに教えてくれるんだもの、先に来るのは当然のこと。
ところが柱に寄りかかり、そのまま眠ってしまったりして…

「っな、なんとお詫び申し上げればよいか…!このレティ、一生の不覚…!」
「大丈夫だ、俺は石頭で、今来たところだし、お前の寝顔もかわいらしかったからな!」
「左様ですか…左様ですか!? 
こ、この汚らしい寝顔をケビン殿にさらしてしまうなんてっ…ああ!死にたい! 殺してください!」
「待て、はやまるな!」

ケビン殿ではないけれど、心の臓が飛び上がって今にも口から出そう…!

「お前は俺の女の後輩の中では初めての斧使いで、なおかつ俺の後輩の中では最もまじめだ。今日だって俺よりも先に来て、うっかり眠ってしまったんだ。
そんなことくらいで自分の才能を潰してはいかん!」
「ケビン殿…!ごめんなさい、私、ケビン殿の期待を裏切るようなこと…」
「今からがんばれば問題ない!さぁ、目を覚まし訓練に励むぞ!」
「はい!ケビン殿!」

その朝、私とケビン殿が血だらけで食堂を訪れたらキルロイさんが驚いてぶっ倒れたことは、いまでもわすれない。


  似たもの同士


あとがき
ケビンは暁の女神で一番好きです!やっぱり私は赤緑の赤が好きみたいです。ケビンはカイン殿よりもちょっとおばかな感じで楽しいです
(一番はやっぱりカイン殿だけど←)
戦績は出撃回数がオスカーより6回少ないにもかかわらず、一つ上の四位というツワモノ!
ケビンすきだー!

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