アカネイアall

□エッツェル
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この人は悲哀にしかならないと思われます…なので諦めてこれだけは悲愛にします。けど希望ある悲愛的な感じで…



アーシェラ。

俺の最愛の人だ。
そして俺が最も後悔したこと。
アーシェラは俺を愛したばかりに、ヘマした俺をかばって、そしていってしまった。
天国の彼女が望む世界にできればと軍に加わったものの、俺はいつも未練がましく指輪を眺めては戦いに身を投じる。
俺は、生きなくてはならないと思いながらも、多分死にたいのだ。
わかっているさ、死んだところでアーシェラには会えないのだと。
そして俺が死にたがっているようではアーシェラに申し訳ないことも。
 そう打ち明けると、彼女は泣いた。

クリスはこの軍の魔道士の一人で、俺が今最も信頼を置いている女性だ。
この人にならいいかと思ってすべて打ち明ければ、彼女は俺の代わりに泣いたのだ。俺は面食らって、そして苦笑した。

アーシェラ、俺は今きっと、彼女のことが愛しいのだ。
こんな俺を、お前は許してくれるのだろうか。

「エッツェルさん、私も打ち明けますね」
「え……?」
「これを、」

クリスはいつもはめている左手の手袋を外し、俺に差し出す。
そこには銀色に輝く指輪がはめられていた。
俺の指と同じ場所に……。

「あんた…」
「私も、夫を亡くしました。だからあなたの気持ち、とてもよく分かります。
だけど、バカですね。私はあなたと悲しみを共有する以上に、貴方を想ってしまって。
夫にも、アーシェラさんにも、申し訳なくてっ…」

そうか、あんたも同じ気持ちだったのか。
俺は、単純に嬉しかった。

「エッツェルさんは自分に素直になってくださいね。
私は、夫が私のこれからの幸せを願ってくれることを分かっていながらも、次に進むことが怖くて」
「クリス、あんたに同じことを言うよ。
俺もずっと、次に進めなかった。
だけどせっかくあんたが想いを伝えてくれた。なら、いい機会だ。
さぁあんたの左手を貸してくれ。
あんたの指輪に、あんたの夫に誓わないと。
死んでしまったあんたの代わりに、俺がクリスを幸せにすると」

クリスは、新しく流れてきた涙をぬぐった。

「では、あなたの左手も貸してください」

俺たちはお互いの最愛の人に誓いあい、そして笑いあった。



 二人目の最愛へ



2015・6・13日に拍手くださった方がエッツェルいいですよね、とコメントくださったのに気が付かずスルーしてました…こんな時代に暗黒戦争編のコメントしてくださる貴重な方をスルーしていたなんてなんてバカなんだ!
もし…もし、読んでくださっていれば、本当にすみませんでした><

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