アカネイアall

□バーツ
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――お前、本当に女か?

何度思い出しても、あのセリフはこたえる。クリスはここ数日、バーツとの会話を思い出しては落ち込んでいた。
バーツの言葉の意味は、良い鍛え方だ、という意味だったようだ。
クリスからすれば嬉しさはあるが、それ以上に女に見えないだろうか、という落ち込みのほうが勝っていた。
おかしい。
いつもなら喜ぶような内容なのに、バーツが自分を女だと思っていないのかとおもうとひどく落ち込んでしまう。

「よー!クリス」

そんな落ち込んでいることに気が付かず、クリスに気が付いたバーツは気さくに声をかけた。

「あっ、ああバーツ殿、どうも、こんにちは」
「ちょうどよかった!鎧を着ていないが、お前今から暇か」
「え、まぁ、今日はもうこれといって…町へ出て走り込みをするのも良いかなって思っていたんですけどね」
「相変わらず熱心な奴だな。
まぁ、今日は訓練はさておき、俺と一緒に城下に行ってくれないか。
なに、暇ができたのはいいが、昼間からやることもなくてな。
お前も暇なら付き合ってほしいんだよ」

たまにはデートもいいだろ?と日に焼けた顔でくしゃっと笑うバーツにクリスはなんだかドキドキした。
けれど、同時にデートと言う単語に以上に反応する自分に戸惑った。

「あの、でもバーツ殿、大丈夫なんですか」
「なんだ?」
「女に見えないような女を連れて歩いては、なんというか…」

バーツは一瞬片方の眉を吊り上げてから、ああわかったぞと言いたげな顔でため息をついた。

「お前、もしかしてこの前のことを気に病んでるのか」
「い、いえ!あのような褒め言葉、バーツ殿にいただけてとてもうれしかったですけど!」
「だから言ったろ?無駄のない鍛え方だと。
本気で女かわからなかったわけではないんだって。
まぁ、あれだな、デリカシーってやつがなかったよ、悪かった」
「いえ、そんな!バーツ殿が謝ることではないですから。実際私は女っけもありませんし」

いくら弁解しても信じてくれそうにない。
なにか有力な一言はないだろうか。
バーツはしばらく考えあぐねてから、クリスを見た。

「いいや、お前は確かに女だ。
俺は柔らかい女も嫌いじゃないが、肉だけの腹よりも割れた腹のほうが好きだぞ!
抱くのなら鍛えた女のほうが理想だ!」

クリスは、壮絶に赤面した。
そして近くを通りかかったサジとマジはお互い顔を見合わせ、オグマはこめかみに手を当ててため息をついた。

「あの…バーツ…殿」
「ん?どうした?」
「あなたって…本当にデリカシーがないですねぇええ!」
「ぐはぁっ!!」

走り去ったクリスの顔は、火が出るほど赤かったと一部始終を目撃したきこりたちは証言している。


 女らしさ



あとがき
最初のころはきこりの一人だとおもって使わなかったバーツ殿。しかしね、ある時傭兵にして育てたら隊長よりつよくなるって気が付いたんですよ
しかもあの支援会話からバーツ殿が見た目通り陽気な男ということが分かり、かなり株があがりました。
覚醒もifもダンディー枠減ってる気がするんですけど、ぜひダンディー枠を増やしてほしいですね!覚醒のダンディー枠グレゴさんだけなんだもの!
くぅぅ〜〜!バーツ殿好きだぁあ!カイン殿の次に!←

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