覚醒all

□パリス
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「ルフレ、すまないが次の戦略についてのことをパリスに伝えてもらえないか」

「え、私?」

「ああ。お前は説明が得意そうだからな。

口べたな俺が伝えても上手く伝わらないんだ」

ああ、わかりました。

と答えながら内心どうしようかと焦りまくった。

パリスさんは最近軍に加入した男の人なんだけど…あんまり話したこともなくて、むしろちょっと怖そうだから尻込みしてしまう。

だけど私がちゃんと役目を全うしないときっとパリスさん困るから…でもパリスさんの部屋なんてしらないしなぁ…

と、前方からスミアが歩いてきた。ちょうどいいや。

「ねぇスミア。パリスさんしらない?」

「あ、パリスさんならさっき練習場にいましたよ」

「お、ありがとぉー」

練習場か。確かに。

練習場にいくとちょうどお昼だから誰もいない。

パリスさんも帰っちゃったのかな。

あ、でもあの柱に剣が立てかけてある。

「パリスさーん?」

そーっと柱に近づくと、なんとパリスさんはそこに寄りかかって寝息を立てていた。

なんか…意外っていうか…こんなところで寝ちゃうなんて。

青い髪が日に当たって暖かそうで、思わず手を伸ばす。

「っ!」

心臓が飛び上がった。触れる寸前で腕をガッと捕まれて、青い目が開かれた。

「あ……」

「…!?」

パリスさんは驚いたように私の手を離した。

「す、すまない!」

すごい…寝ているとはいえ、やっぱり気を張っていたんだ…。

私は驚いて呆けてしまった。

パリスさんはあたふたして怪我をさせていないかと問うてきた。

「大丈夫ですよ、なにもないですから。寝顔かわいらしいんですね」

「なっ…何を言う!」

「そ、そんなにムキにならないでください」

「いや俺は常に平常心であってだな…」

平常心だというくせに赤くなっているパリスさんは、私が思っていたような怖い人ではなくて、ちょっと拍子抜けしちゃった。

もうちょっと、パリスさんのこと知りたいな。

暖かい日差しの中、私は隣に座ってパリスさんを見上げた。


 青いひと




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