覚醒all

□シャンブレー
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「あんたたって、いっつもよわっちぃわよね」

「へ?」

「ヒゲ生えてるのに弱そうって話」

「ヒゲ…関係なくね?」

「いや!ヒゲあるのにこんな弱そうな人初めて見た!剃っていい?」

「ひぃぃい!やめてよ!」

「あーあ、その分だと好きな女の子にも話しかけられないタイプなんだな」

私はいわゆる、好きな人はいじめたくなっちゃうタイプだ。

特にコイツ…シャンブレーは涙目の時が一番…かわいい。

「すっ、好きな人には頑張って話しかけてるよ!」

え、なにそれかわいい…って。

好きな人、いたのか…。

「告白も自分では言えないタイプだろ、いくじなしめっ」

「え、えぇえ!?」

「ラブレターとか使っちゃうタイプだろ!」

「そ、そんなことは…」

馬鹿だなぁ。その思われ人。

シャンブレーは腰抜けなんだから自分から言ってあげなくちゃなのに。

あ、やべっ。悲しくなってきた。

こんなかわいいシャンブレーが私以外のものになっちゃうだなんて…

「ま、まぁいいや。私用事有るからもういくね」

「えっ…あ、うん…」

お昼時で人の多い食堂を一人でつかつか歩いていく。

あーあ、かわいくてもからかったりしないで優しくしておけばよかった。

そしたら可能性有ったのかな?

無理か、こんながさつな女じゃ――

「ルフレ!俺はいくじなしじゃない!」

軍一番の大声に呼び止められて、食堂がシンと静まった。

私は驚いて振り向いた。

「お前のこと大好きだー!」

「…!?」

ばっかやろー!食堂でそんな事叫ぶヤツがあるか!

そう言う前に涙が溢れてきて、食堂の拍手喝采を浴びながらシャンブレーが駆け寄ってくるのをゆがむ視界で待った。


 大声で叫ぶ




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