覚醒all

□ジェローム
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誰でも一度はやってみたいことだとおもう。ジェロームの仮面を取る。

今私に、そのチャンスが巡ってきた。

「(ききききき、きたー!私の時代きたー!よしっ、慎重にだぞ!そ〜と…それ!)」

やった!とれた!

どれどれ、どんな素顔――

その瞬間、目が開かれて、沈黙が走り抜けた。

「…!?」

「…わお」

「貴様…!」

「わっわぁああごめん!」

思ったより、目が大きくて整った顔だったから私はびっくりして走り出した。

って…

「やべー仮面持ったまんまだああ!」

「ルフレ!それをかえせ!」

「ぎゃああヤダこないでー!私の心臓が息の根を止めてしまう!」

っは!しまった行き止まり…!

「あー…まずいな」

「ルフレ…よくもやってくれたな」

「ふっ、ふふふふっ、ああ待って!
ごめんって返すから!返すから来ないで!」

「近づかなければ渡せないだろうが。
なんだ、貴様人から奪ったものを投げ返すきじゃあないだろうな?」

「めっ、めっそうもござらん!」

ひぃい!なにあのイケメン!

やべーよ近づいたら顔が真っ赤になっちゃうよ!

手を出来るだけのばして、仮面をジェロームに近づける。

よし、もう少し…って

「うわお!」

仮面じゃなくて、腕をがしっとつかまれて私は一気にジェロームに引き寄せられてしまった。

後からお腹に腕を回されてしまい、逃げ場はない。

「私の顔を見たのなら、責任を取って貰おうか」

「なっ、なに女の子みたいなこと!」

「ん?どうした?」

「いっいえきっちり取らせていただきます責任を!」

やめてー!それ以上顔近寄せないでー!

「っふ、ではさっそく嫁が出来たとミネルヴァちゃんに報告にいかねば」

「…っそういう!?」

「……問題でも?」

「…な、ないです」

無いけど。

後で笑うあなたに、心臓が飛び出そうなの。



 君がほしくて




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