覚醒all
□ヘンリー
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「ヘンリー!朝なんだけど!起きてほしいんだけど!」
私の日課は、朝低血圧で起きられない彼氏様を起こしに行くことだ。
「あーあー!一緒に朝ご飯たべたいなぁ。カラスとたわむれたいなぁ」
そういえば、たいていヘンリーは笑いながら寝癖をなでつけて部屋から出てくる。
だけど今日は出てこなかった。おっかしいなぁ…。
「ねぇ、あけるよ?パンツで寝てたりしないでしょうね?」
って、起きあがれない人に言ってもしょうがないんだけどさ。ヘンリーから貰った合い鍵で扉を開ける。
「ヘンリー」
彼は布団の中で丸くなって居るみたいで出てこない。風邪でも引いているのかな。
ちかよって布団をめくってみようとしたそのとき、世界が反転した。
「っきゃあ!」
なに!?なに敵襲!?だけど引き込まれたそこはとっても暖かくて、すぐに違うことに気が付いた。
「ヘンリー?」
「おっはよ〜。えっへへへ〜」
なんだ、私はヘンリーの寝台に引きずり込まれたのか。
「ちょっと、なにすんの」
「今日は朝が冷えるから出たくなくて。だけど布団から出られないとルフレにも合えないしどうしよっかなぁーって思ったんだけど、これは正解だったねぇ」
「もう…ごはん食いっぱぐれちゃうよ?」
「大丈夫だよー。食堂行けばなにかしらあるから」
「はぁ…」
「まだ時間に余裕あるでしょ?」
「…今日だけよ?」
「やったぁ〜」
ヘンリーは細い目をもっと細めて私をぎゅうっと抱きしめた。
うでのなか
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