長編
□明日へ
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さて、ここは一体何処だろう。
石の壁に高い天井。
私の部屋は白い壁紙の6畳部屋だったはず。
そして何より一緒のベットにいるこのイケメン外国人は誰だろう。何も身につけていない上半身は筋肉がついててガタイが良い。
正直年齢=恋人いない歴の免疫の無い私は目のやり場に困る。
その時、もぞもぞと男性が小さく身じろぎする。
そしてうっすらと目をあけると、しばらくぼーっとしていたが違和感を感じたのか眉間にしわを寄せると寝返りを打ちビシッと固まった。
蓮と目が合ったのだ。
「き、き、き、君は誰だ!?どうやって入った!?」
かばっと勢い良く立ち上がると壁際に張り付き叫ぶ。
「え、あ、私は東雲蓮と言います。気づいたらここにいました。」
男性の慌てぶりに逆に冷静に答えることができた。
「敵では無いのか?」
「敵?」
「いや、こちらの話だ」
「はぁ、ところでここは何処なのでしょう?あなたは誰ですか?」
男性が少し落ち着いたところで質問をする。
「ここはギリシャ聖域の獅子宮。俺は獅子宮を守護するレオのアイオリアだ」
まだ少し警戒している様子はあるが、壁から背中を離すと素直に教えてくれた。
「サンクチュアリ?レオって言うと星座・・・ですよね?」
「あぁ、黄金聖闘士のレオだ」
「黄金聖闘士ってアテナを守る戦士ですよね、あれ?なんで知ってるんだろう・・・ってギリシャ!?私日本に居たはずなのに!」
情報を与えられて段々と混乱してきた蓮にアイオリアはどうすることもできず、オロオロと蓮を見つめる。
「・・・大丈夫か?」
アイオリアに話しかけられてすっと心が落ち着いた。
「・・・はい。ごめんなさい」
「いや、気にすることはない。君もよく状況を理解していないのだろう?突然違う場所に居ては混乱するのも無理はない」
「あの、これからどうすれば良いのでしょう?」
「まずはアテナに相談しよう、君から感じる小宇宙も気になる」
「はい」
気になるとはどうゆうことだろうと思ったが、まずはこ状況をどうにかするべきだとアテナのもとへ行くことにした。
「ありがとうございます、アイオリアさん」
「アイオリアでいい」
「でも、」
「俺も蓮と呼ぶから」
「分かりました」
きっと年上だろうアイオリアを呼びすてにするのは日本人としてはしにくいが、本人が言うのならと呼び捨てにする。
「さぁ行こう」
そう言って差し出されたアイオリアの手を取り、ベットを降りると獅子宮を後にした。