過去と現実と未来と
□第2話
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ん?
「誰ですか?」
ずっとこっちを見てる奴がいるな。
「私はペルソナ。危力系の担当の者だ」
仮面をつけた男がこちらに歩いてきた。
……レイ。
「ご用件は?」
「初等部校長がお呼びだ」
ドクンッ……。
心臓が大きく脈打ったのがわかった。
チッ、初日から接触してくんのか。
「わかりました」
私たちは校長室に向かった。
「校長、連れてきました」
「入れ」
中に入るとそこには小さな子どもがいた。
随分と小さくなったものだ。
「君が、長谷川海夜だね」
「はい」
あー、早くここから出たい。
「君はこれから私のために働くことになる。君のアリスはとても優秀だ。私のために存分にその力を発揮してくれ。期待しているよ」
誰がてめえのために力を使うか。私は私のためにこの力を使うんだよ。
「ご期待に応えられるよう努力します」
そう言いながらぺこりと頭を下げた。
「今日はゆっくり休むといい。下がっていいよ」
「はい。失礼いたします」
校長室を後にし、即座にその場から離れた。
……寮に戻る気にもなれないし、どうしような。
視界に入ったのは北の森。
あそこなら誰も来ないか。
私は北の森へと足を向けた。