白と黒の世界

□第一夜
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「ふあー」

あー、眠い。ここに来るのも久しぶりだな。ーー黒の教団本部。

「ティナ!」

ん?

「久しぶり、リナリー」

「おかえり、ティナ」

「ただいま」

元気そうだな。

「リナリー」

リナリーの後ろから歩いてきたのは、見覚えのある少年だった。

「アレン君!」

「えっと……そちらの方は? それにその団服……」

「……はじめまして。ティナベル・マッカーです。一応これでも、あなたの師匠と同じ元帥」

「えっ!? 師匠のことご存知なんですか!?」

あなたのことも知ってるけどね。

「まあ同じ元帥だし、あの人とは昔からの知り合いだから。あなたのことも聞いてるわ、アレン・ウォーカー」

「マッカー元帥は……」

「ティナでいいわ。歳もあまり変わらないし」

「わかりました」

「ティナ」

ん?

「リーバー」

「室長が呼んでる」

「わかった」

私はリーバーとコムイのところに向かった。

「おかえり、ティナ」

兄弟揃って第一声はそれか。……相変わらずだな。

「ただいま。これ報告書」

報告書をコムイに渡した。

「クロス元帥の弟子にはもう会った?」

「うん。よくもまああんな奴からあんな真面目なのができたものだ。じゃあ私はもう行く」

「えっ? もう行くのかい!?」

「荷物取りに来たついでに報告書私に来ただけだから」

「神田君には会っていかなくていいのかい? もうすぐ戻ってくると思うけど」

「……じゃあね」

一度自室に戻って必要な物を取り、本部を出た。

そして、それからしばらく後のことだった。ーーイエーガー元帥が亡くなられたのは。
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