背中合わせのあなたと私
□第1話
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カタカタカタ
ある建物の一室。
私はそこでパソコンを操作していった。
電気も付けずに、ただ淡々と――。
「あっ、あったあった」
そこに表示されているのはある人物の名前と、死亡確認の文字。
死亡確認、ねえ……。それが本当ならもっと騒ぎになっていてもおかしくはない。いや、むしろ騒ぎにならないほうがおかしい。あの子もなんらかの方法で牢から脱走してるわけだし。私の仮説通りなら、あの子はきっと……。
パソコンの電源を切り、私はそこから姿を消した。
さあ、あなたは逃げ切ることができるかしら。目を光らせている、カラスたちの魔の手から。ねえ、シェリー。